国際的な法律家にもなれる!行政書士の入管業務とは?

国際的な法律家にもなれる!行政書士の入管業務とは?

行政書士の入管業務とは

「入管」とは、入国管理局の略称です。

入国管理局とは法務省の一部局で、全国に8か所の地方入国管理局、7か所の支局、61か所の出張所があります。

外国人が日本に入国する際、ビザが必要になる場合があります。

「ビザ」とは査証とも呼ばれ、国が自国民以外の人に対して、その人が所有する旅券(パスポート)が有効かを示す証明書のことです。

また、外国人が日本に住みたい!と思った場合には、手続きが必要で、どのような目的で住むのかということを行政に申請して「在留資格」をもらう必要があります。

在留資格には33種類の資格があります。

そういった日本に来る外国人のための業務が入管業務ですが、行政書士が取り扱う入管業務の内容について詳しく紹介していきます。

目次

行政書士ができる入管業務とは?

入管業務は、外国人が日本に適法に滞在できるようにサポートしていく業務のことをいいます。

ただ、入管業務は、他の許認可申請と同様に本人の申請が原則であり、申請取次制度を利用することで本人以外の第三者が取次を行うことができるようになります。

そのため、行政書士の行う入管業務は「取次」であって「代理」ではありません。

つまり、書類の記載内容に不備があったとしても行政書士が修正等をすることはできません。

そして、この「取次」を行う行政書士を「申請取次行政書士」といいます。

また、この申請取次は、行政書士以外にも受入れ機関の職員や旅行業者等もすることが可能ですが、これらの人々は申請できる手続きの範囲に限りがあります。

申請取次行政書士とは?

先ほど紹介した「申請取次行政書士」とは、日本行政書士会連合会のホームページによると「出入国管理に関する一定の研修を受けた行政書士で、申請人に代わって申請書等を提出することが認められた行政書士」のことをいいます。

申請取次行政書士に依頼をすることで、依頼者は入国管理局へ行く必要がなくなり、学業や仕事に専念できたり、日本語が得意でない方や手続きがよくわからないといった外国人にとって安心かつスムーズに手続きを行うことができたりするというメリットがあり、行政書士にお願いする外国人の方は年々増えてきています。

特に中国や韓国といったアジア圏の人からの依頼が多くなってきているようです。

行政書士申請取次研修会とは?

次に、申請取次行政書士になるために行われる「申請取次研修会」についてですが、日本行政書士会連合会が行っています。

研修費用は約3万円で、研修会の最後に効果測定という10問30分間の試験があります。

その試験で一定の合格水準をクリアした行政書士には、修了証が発行されて、入国管理局に届出を行うことで申請取次行政書士の資格が与えられます。

研修会の日程については、日本行政書士会が発行する「月間日本行政」という会報誌に掲載されますが、日本行政書士会のホームページからも見ることができ、研修月の2か月前から申し込みが始まります。

都道府県ごとの行政書士会や各支部主催の研修会もあります。

入国時の入管手続き

具体的に、行政書士が行う入管業務について、まず、入国時の業務としては在留資格認定証明書の交付申請が挙げられます。

この在留資格認定証明書は、日本に入国を希望する外国人について、在留資格のうちのいずれかに該当していることを証明する文書です。

日本国の法務大臣より交付を受けます。

在外公館でのビザ申請時にこの証明書を提出すると、早期にビザが発給されます。

ビザが発給されると、日本に来て、入国審査→許可を経て日本に滞在することができるようになる、という流れになります。

この在留資格認定証明書の有効期間は、交付から3か月間です。

行政書士は、在留資格認定証明書の取得から、入国に至るまでのサポートをすることが可能です。

ちなみに、日本人が外国に行く際には旅券(パスポート)が必要で、また、国によってはビザも必要になります。

外国人だけではなく、日本人を対象としてそういった旅券の申請手続きやビザの申請手続きも行政書士がお手伝いすることができます。

入国後の入管手続き

次に、入国後の業務としては、主に、

(1)在留資格変更許可申請

(2)在留期間更新許可申請

が挙げられます。

この2つについて詳しく紹介します。

  • (1)在留資格変更許可申請

    在留資格を持って日本に在留する外国人が、在留中に当初の目的を変更したり、変更せざるを得ない場合があり得ます。

    例えば、「留学」という在留資格で日本の大学に在留している外国人が大学を卒業して、その後に日本で企業に採用された場合(技術、人文知識、国際業務に該当する仕事)等です。

    このような場合には、入国管理局へ在留資格変更許可申請をしなければなりません。

    行政書士はその際の手続きのサポートをすることが可能です。

  • (2)在留期間更新許可申請

    外国人は、「永住」という在留資格を持っているような一部の場合を除いては、許可され ている在留期間を超えて日本に滞在することはできません。

    違反すると退去強制の対象になります。

    在留期間を超えて日本に滞在する場合には、入国管理局へ在留期間更新許可申請をすることで、在留期間の延長をすることが可能です。

    行政書士はその際の手続きのサポートをすることが可能です。

その他にも

  • 永住許可申請
  • 在留資格取得許可申請
  • 資格外活動申請
  • 就労資格証明書交付申請
  • 再入国許可申請

といった業務も行うことが可能です。

行政書士の入管業務の魅力とは?需要も多い?

入管業務は、外国人が日本で適法に生活するために大切な業務であり、外国人の暮らしを様々な面からサポートすることができる業務であるため、非常にやりがいのある仕事です。

また、2019年にはラグビーワールドカップが開催され、多くの外国人が日本を訪れましたが、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、さらに多くの外国人が日本を訪れることが予想されています。

そういったことがきっかけで日本に住んでみたいと思う外国の方も増えてくる可能性もあります。

実際に、現在でも在日外国人の数は年々増加傾向にあり、国際化が進む日本社会において、外国人在留資格の分野は社会的必要の高い業務であるといえます。

さらに、在留許可も一定期間での更新が必要であるため、継続性が認められる業務であり、国際交流ができるとともに、場合によっては頻繁に海外出張に行くこともあり、視野を広げることができます。

行政書士が行う入管業務の報酬の相場は?

日本行政書士会連合会の資料によると、入管業務の報酬の相場は、在留資格認定証明書交付申請(居住資格)で平均110,271円です。

在留資格変更許可申請では平均84,903円となっています。

中には在留資格認定証明書1件約20万円で行っている行政書士事務所もあります。

また、前述したとおり、在留許可は一定期間での更新が必要になるため、継続性がある業務といえます。

つまり、数名の顧客ができることで、コンスタントに収入を得ることができます。

これからますます外国人の出入りが多くなる日本において、入管業務の依頼は多くなってくると思います。

語学力を生かした業務をしたいと考えている方はもちろんですが、語学力がなくてもできる業務といわれていますので、語学力に自信がない方にも入管業務はおススメだと思います。

2018年入管法の改正について

2018年10月に、「出入国管理および難民認定法」、いわゆる入管法の改正案が閣議決定され、2019年4月より改正入管法案が施行されました。

主な改正内容としては新しい在留資格である「特定技能」が創設されたことです。

これまでは、外国人が単純業務に従事可能な在留資格は「技能実習」のみでした。

「技能実習」の在留資格を持つ外国人は、特定の技能を習得するという目的で、最長5年間日本で就労することが許可され、実際に現場に入り、技能を学ぶことができます。

しかしながら、実習期間満了となると母国へ帰らなければならず、雇う側にとっても、もっと日本で働きたいと思う外国人にとっても不都合が生じる場合がありました。

そのため、改正法案では、「特定技能」という新たな在留資格を創設し、外国人がさらに長期間日本で就労することが可能になりました。

この特定技能には1号と2号がありますが、これは、就労する分野や業界の知識、経験、技能、日本語レベルに応じて変わります。

特定技能1号

14の職種で働くことができます。

また、在留期間は最長5年間で、家族の帯同ができません。

職種は、以下のとおりです。

  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 素形材産業
  • 産業機械製造業
  • 電気・電子情報関連産業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
特定技能2号

以下の2分野のみで働くことができます。

最長在留期間に上限はなく、家族の帯同ができます。

  • 建設
  • 造船・舶用工業

入管法が改正された背景には、生産年齢人口が減少していることが挙げられます。

特に、「建設業」「サービス業」「製造業」では人材不足が理由で倒産する会社が相次いでおり、国内における人手不足を解消する1つの方法として、入管法が改正されました。

まとめ

入管業務は、日本と外国をつなぐための重要な業務であります。

行政書士が入管業務に携わるようになったのは、20年前、入国管理局で無料相談を行った行政書士が信頼を得たことによって始まったのがきっかけだそうです。

国際化が進み、入管法改正がなされた今日の日本において、行政書士が入管業務において果たす役割はますます大きくなってくるかと思います。

行政書士は日本人相手の仕事が多いような印象をお持ちの方も多いかと思いますが(わたくし自身も実際そのような印象でした)、国際的な業務も行っているということがこの記事を読んでご理解いただけたでしょうか。

国際的に活躍してみたい!視野をもっと広げてみたい!と思っている方は、行政書士の入管業務に携わってみられると良いかと思います。