行政書士試験「過去問」の攻略法!おすすめの勉強法!

行政書士試験過去問の攻略法

資格試験の勉強で、過去問演習は欠かすことができません。中には、「テキストを読まなくても過去問だけやっていれば合格できる」とまで考える人もいます。そこまで極端な考えをする必要はありませんが、やはり過去問なしには合格は難しいでしょう。

目次

なぜ過去問が大事なのか

それは、繰り返し同じ問題が出題されているからです。つまり、過去問をマスターすることは、最も合格に近付くことになるのです。

資格予備校が作る新作問題や、予想問題と呼ばれるものの多くは、結局過去問の焼き直しであることも少なくありません。過去問の一部を改変したりしているので、おかしな問題になっていることもあります。

多くの問題を解くという意味では、新作・予想問題も無駄ではありません。しかし、最も重要なのは、やはり過去問なのです。

過去問の効率的な使い方とは

真面目な人ほど、ある程度勉強が進んでから問題演習に取り組もうとします。しかしそれは効率の良い方法ではありません。過去問は、学習スタートと同時に使い始めましょう。

誰でも最初はテキストを読み進めると思います。いきなり問題を解いてみる、という人は少数派ではないでしょうか。しかし、テキストをひととおり読んだら、その部分の過去問をすぐに解いてみましょう。

例えば、民法の代理についてテキストを読んだら、代理についての過去問を解きます。この方法で過去問を解き始めるとおそらく、ほとんど解けないでしょう。今テキストを読んだばかりだというのに、出来ない事に驚くと思います。しかしそれで構いません。

なぜなら、テキストで学んだ内容が、問題としてはどう出題されるのかということが分かれば、それに合わせたテキストの読み方ができるようになるからです。

過去問はできる・出来ないではなく、勉強の進め方を補正するツールとして学習スタート時から常にテキストと共に使っていくことをおすすめします。

過去問、年代別とは?

過去問、年代別とは?

年ごとの試験問題をまとめたのが年代別過去問

過去問には、年代別と体系別があります。掲載されている問題は同じですが、その並び順が異なります。年代別過去問は、出題された年ごとに問題が並べられています。そのため、見た目は本試験の問題に解説が付いたような感じになります。

年ごとの出題傾向が掴めるのが、この年代別過去問です。年ごとに難易度のばらつきがあるので、易しい年を選んで問題演習したり、あえて難しい年の問題に挑戦したりする場合は、年代別過去問の方が使いやすいといえます。

過去問、体系別とは?

過去問、体系別とは?

問題別の過去問

体系別過去問とは、問題の種類ごとに並べられた過去問です。例えば、代理についての問題が年代を超えてまとまっている問題集です。

体系別問題集だと、よく出題されるテーマはたくさんの問題が並び、あまり出されないテーマは問題が少ないのが一目瞭然でわかります。

最近では、「出る順」といって、よく出題される順に編集された問題集もあります。体系別も、多くの過去問集で出題年度が明記されているので、「最近よく出題される」というチェックもできます。

おすすめは体系別過去問

おすすめは体系別過去問

まとめて演習する事で理解が加速する

勉強の全工程を通じておすすめなのは、体系別過去問です。学習スタート時から過去問演習を一緒にすることをすすめていますが、体系別だと同じテーマ(例えば代理)についての問題が並んでいるので、まとめて効率良く演習できます。

同じテーマであらゆる角度からの問題を解いていくことで、テキストを読んだだけでは分からなかったことが分かってくることも多いのです。特に学習初期のころは、問題を解いてみて初めてわかることが多いはずです。

なお、年代別でこれをやろうと思うと、各年の中から問題を探さなくてはならないので無駄な時間がかかります。

また前述の通り、頻出問題かどうかが一目でわかるので、どこに力を入れて勉強していくべきかが自然と定まってきます。

年代別過去問は模試的に使う

年代別は仕上げに使う

年代別過去問も、利用頻度が低いというわけではありません。年代別には年代別の良いところがあります。

最も効率的な使い方が、勉強の仕上げに模試的な使い方をする事です。本試験の問題と同じ順で問題が並んでいるので、全ての科目を横断的に勉強するのに最適です。資格予備校なども模試を出しますが、それとは別に自分でできる模試として活用してみましょう。

また、時間配分やどこから解いていくかなど、自分なりの戦略を練るためには模試的な演習が欠かせません。模試を1回受けるのに比べ、年代別過去問は1冊3,000円前後で10年分ほどの演習が可能で、コストパフォーマンスに優れています。

なお、体系別では解けた問題が年代別でやってみると間違える、ということもあります。そのため、それぞれの過去問の特性を活かして自分のものにする事が重要です。

効果的な繰り返し勉強法

効果的な繰り返し勉強法

最低3回繰り返す

過去問は繰り返し学習することが大切です。なぜなら、学習段階が進んでくると、最初は素直な気持ちであたって解けていた問題が、知識が入ってくるにつれて間違えることも増えてくるからです。

判断材料が増えたことで、却って間違えるようになるのは珍しいことではありません。そのため、最低でも3回は間を空けて繰り返し学習しましょう。

過去問にチャレンジする際は、日付と正解、不正解をメモしておくことをおすすめします。そうすると、「前回から1カ月たったからそろそろ復習しよう」とか、「前回は正解だったのに、なぜ今回間違えたのだろうか」といった振り返りができるようになり、自分の弱点や強みが分かりやすくなるでしょう。

また、日付を書いておくことで、ペース良く勉強出来ているかの目安にもなります。特に独学で合格を狙うなら、常に自分のペースに気を配る必要があるので、このやり方が適しています。

一般知識の過去問で注意すべきこと

一般知識の政治・経済・社会では時事問題も出題されます。時事問題は、「その時はそうだった」という問題なので、過去問はすでに古くなってしまった問題だと意識しておいた方が良いでしょう。

もちろん、現在もその時の状況と変わらない問題もありますが、時事問題については過去問よりも新聞やニュースを参考にしておきましょう。

また、一般知識の過去問では、個人情報保護・情報通信、文章理解を中心に勉強するのが良いでしょう。特に文章理解はほぼ決まった形式で出題されるので、過去問演習が有効な対策になります。

メキメキ力が付く過去問の使い方

メキメキ力が付く過去問の使い方

解説を見る前にテキストに戻る

大抵の人は、過去問を解いたら解説をよく読んで、さらに確認したいときにはテキストに戻って確認、というやり方をしているのではないでしょうか。この順番を少し変えるだけで、メキメキと実力がつく過去問の使い方があるので紹介します。

まず、過去問を解いたら解説を読む前にテキストに戻って、自分で正解・不正解をしっかり判断してみて下さい。一見簡単なように思えますが、テキストの該当ページを探すのも意外と時間がかかります。この際、どこを見れば良いのかわからずに、だいぶテキストを読むことになる場合もあります。

しかしながら、これを行うことで周辺知識も否応なしに頭に入ってきます。

答えを教えてもらうよりも、自分でたどり着いた答えの方がより頭に残ります。テキストから答えを探すことで、強く記憶に残すとともに、目的を持ってテキストを読むことにもなり、自然と理解が深まります。

初期の段階では大変時間がかかりますが、やってみると本当に実力がついていることを実感できるはずです。

まとめ

合格のための最重要ツールと言っても過言ではないのが過去問です。せっかく過去問を活用するのであれば、なんとなく使うよりも力が付く使い方をしたいところです。

過去問はまず体系別で演習し、最後に年代別で仕上げましょう。過去問を選ぶ際には、問題と解説が見開きになっていないものの方が、ストレスなく使えます。

もしくは、解説ページを隠す下敷きなどを用意しておくと良いでしょう。過去問を使い倒して、合格を目指しましょう。