2020年のおすすめ資格

以前は、2020年の日本は教育改革やグローバル化が進み、教育や語学関連の資格が注目といわれていました。しかしながら、2020年になった途端、予想外の世界的な感染症の大流行で、今までの生活様式を大きく変えざるおえなくなり、注目資格にも変化の兆しが感じられます。

環境的にも収入的にも先が見えない将来のことを考えると、今のうちに何かしらの資格を取得し、キャリアアップ・副業・転職を考える人が増加しているため、そのニーズに応える資格が注目されているのです。

しかしながら、「何でもいいから資格を取得すればいい」というわけではありません。これからの新しい生活様式にも、感染症終息後の生活にも役立てられる資格を選ぶことが大切です。この記事では2020年を含め今後、役立つおすすめ資格をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

2020年から注目される資格とは?

2020年から、今後注目されていく資格にはどのようなものがあるのでしょうか。

新しい時代に合った資格で「選ばれる自分」に

世界的な新型コロナ感染拡大で、日本でも緊急事態宣言が発令されさまざまな行動の自粛が行われたことにより、今までの仕事スタイルが大きく変化することとなりました。

テレワーク・時間差通勤・出勤数の減少・アナログからオンラインへ・副業の立ち上げほか、人と近距離での接触を避けながら仕事をすることが必要となったのです。そして、以下の資格が注目されるようになりました。

  • テレワークやオンラインでもできる仕事の資格
  • パソコンやネットワークに詳しくなれる資格
  • 将来に備えマネープランを設計できるプロ資格
  • どんな企業でもスペシャリストとして歓迎される資格
  • 「家」をより快適に変えられる資格

今までのように、企業に入社したら「毎日通勤することで給料や立場を保証される」という依存型の働き方ではなく、「自分のスキルや能力を高め市場価値を上げる」ことで企業から選ばれる存在になることが大切でしょう。

これからの時代におすすめの資格

それでは、2020年からはどのような資格がいいのでしょうか。

ITスキルの基本をしっかり身に付ける資格

今後は、感染症対策としてだけではなく、リモートワークやオンラインが中心になっていく時代と予想されています。そのため、基本的なITの知識を身に付けておくことは必須です。ネットのそのものの知識やセキュリティの知識など、基本的なことは身に付いている証明となるのが「ITパスポート」です。

将来に備え確実なマネープランを立てられる資格

2020年以降、より必要になるのがお金に関する知識です。生きていく上で生活に関わってくる税金・保険・貯蓄・不動産などはば広い知識を身に付けられる「FP」は、注目されています。

いろいろな業界で業種に関係なく必要とされる資格

企業の業種に関係なく、必要とされるのが経営・経理などに関係する部門です。「簿記」「社労士」などは企業で歓迎される資格でしょう。

今後ますます大切になる「家」に関する資格

数年前から、「外」よりも「家」で過ごすことが注目されていました。そして感染症拡大の「ステイホーム」で、より家という空間を快適にすることが大切になったのです。さらに、新築よりもリフォーム・リノベーションのニーズが高まっている今、「インテリアコーディネーター」の注目はこれから高まるでしょう。

2020年おすすめ資格 ITパスポート

正式名称ITパスポート
資格種類国家資格
分野IT
認定団体経済産業省
試験形式四肢択一式
受験資格特になし
試験日随時
受験料5,700円
受験者数(2022年度)231,526人
合格者数(2022年度)119,495人
合格率(2022年度)51.6%
フォーサイト合格率(2022年度)96.2%
偏差値45
ITパスポート検定について詳しくはこちら

ITパスポートがおすすめの理由

パソコンやインターネットを、日常的に使うのが当たり前になった時代。日本でもさまざまな現場でITスキルが必要となり、「いろいろな仕事はAIに取って代わられる」とメディアで報じられたりしていました。

ところが、最近は新型コロナウイルス対策としての現金給付などが大幅に遅れ、未だにアナログ手動で確認作業が行われていることがわかり、日本のデジタル化の遅れが浮き彫りとなったのです。日本のITは世界の先進国として非常に遅れを取っている今、国も今までの遅れを取り戻そうとしています。

新しい生活様式や感染症終息後も中心となっていく、リモートワークやオンライン化などをスムーズに行うため、ITに関する資格「ITパスポート」は不可欠でしょう。今まで職場でパソコンを使っていて「PCスキルを持っている気になっていた」人も、ITパスポートを取得しておけば「ITの基礎知識は身に付いている」ことを証明できます。今でこそ取得しておきたい資格といえるでしょう。

ITパスポートのメリット

 
「ITパスポート」は、ITに関する基礎的知識があることを証明できる、経産省認定の国家資格です。AIの新しい技術に関する知識や経営全般、セキュリティやネットワークなどの知識など、はば広い分野の知識を取得している証明になるのです。資格取得の勉強で、ITを正しく理解し業務に効率的に活用できる「IT力」を持てます。

オフィスワークからテレワークへの移行は、感染拡大時だけではなく感染終息後も続くといわれています。ITパスポートの知識は、いわゆる「エクセルが使える」など「ソフトが使える」ことを証明するものではありません。パソコンやインターネットの仕組みを基礎から理解することなのです。

基本の情報リテラシーやセキュリティ対策を知っていることは、オフィスから家へと仕事の現場が変わっていく状況において必ず役立ってくれるでしょう。
ITパスポートはITエンジニアを目指す人にとっては、知っていて当然の知識なので、就職や転職で特別に有利になることはありません。けれども、事務や経理、営業などの分野においてITパスポート取得者は歓迎される傾向です。

2020年おすすめ資格 FP

正式名称ファイナンシャル・プランニング技能士
資格種類国家資格
分野金融
認定団体厚生労働省
試験形式筆記、マークシート、口頭、面接
受験資格FP2級:以下のいずれかに該当する人
・3級FP技能検定の合格者
・FP業務の2年以上の実務経験者
・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
・日本FP協会認定の「AFP認定研修」を終了した人
試験日FP2級〜3級
年に3回(5月・9月・1月)に実施
受験料FP2級
学科:4,200円
実技(個人資産相談業務):4,500円
実技(保険顧客資産相談業務):4,500円
受験者数(2023年1月)FP2級
学科試験 29,466人
実技試験 23,994人
合格者数(2023年1月)FP2級
学科試験 16,537人
実技試験 14,283人
合格率FP2級
学科試験56.12%
実技試験59.53%
フォーサイト合格率(2023年1月)FP2級
学科試験:93.8%
偏差値38〜57
ファイナンシャルプランナー・FPについて詳しくはこちら

FPがおすすめの理由

FPとは、ファイナンシャルプランナーの略称です。FPは、顧客に対して投資信託や株式による資産運用・住宅ローン・生命保険など、生活に関係するお金の相談をしたり人生設計を作成したりします。主なFPは、生命保険会社や銀行などの金融機関に所属し、顧客にアドバイスを行うのが仕事です。さらに、経験やキャリアを積み人脈を築いてから独立して仕事を行う人もいます。

FPは、資産運用・老後資金・保険商品の活用によるリスク・ローンの選び方・相続など、いろいろなお金に関する相談に対応してくれるので、人生の頼もしいアドバイザーです。

ここ数年来、将来や老後に関する金銭的な不安を抱えている人が増加しているため、FPへのニーズは高まっています。最近は感染症の世界的拡大の影響で、リストラや減収になり生活や将来に不安を抱えている人も増加。経営に大打撃を受け、今後どのような資金繰りをしていけばいいのか悩んでいる経営者もいます。さまざまなお金に関する知識を持っているFPは、生活や仕事のスタイルが大きく変化していく新しい社会では大いに役立つでしょう。

FPのメリット

FPに相談できるのは以下のことです。

  • 家計管理
  • 老後の生活
  • 教育資金
  • 年金/社会保険
  • 住宅資金
  • 資産運用
  • 税制
  • 保険
  • 介護/医療費
  • 相続/贈与

これらのお金に関することは、生きている以上誰にでも必ず関わってきます。けれども知識がないと理解するのは非常に難しいですよね。FPはこれらのことに関するエキスパートなので、有資格者は金融・保険業界でなくても歓迎されています。
また、FP資格を得るために学んだ知識は、そのまま自分の生活に生かすこともできるのです。実際、就職や転職のためだけではなく、中高年層が老後プランを自分で立てるためFP資格を取得する人も増えています。っZ生活スタイルが大きな変化を迎えた2020年、生活に関係するお金の知識を持っていることは、今後キャリアアップ・転職・就職・プライベートなどあらゆる場面で役立つでしょう。

2020年おすすめ資格 簿記

正式名称日商簿記検定
資格種類公的資格
分野会計・財務
認定団体日本商工会議所,各地商工会議所
試験形式筆記
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日簿記2・3級:2月・6月・11月の年3回
受験料簿記2級:4,720円
簿記3級:2,850円
受験者数(2023年2月)簿記2級:12,033人
簿記3級:31,556人
合格者数(2023年2月)簿記2級:2,983人
簿記3級:11,516人
合格率(2023年2月)簿記2級:24.8%
簿記3級:36.5%
フォーサイト合格率(2023年2月)簿記2級:86.4%
簿記3級:87.5%
偏差値2級:58
3級:47
簿記の詳細情報

簿記がおすすめの理由

昔は「簿記」というと、経理や会計部門の人に関係する資格だという認識が強かったものでした。しかしながら、簿記の役目はそれだけではありません。会社や企業の経済環境を整え維持するためには非常に大切な能力なのです。

簿記の代表的な業務は、経営状態を把握するために、会社に出入りするお金の流れを日々記録し、財務諸表という「経営レポート」を作成すること。それによって、会社や取引先の経営状況を把握することでもあります。そのため、簿記のスキルは企業の経理や会計部門だけではなく、営業や経営企画分野の人にも役立つのです。

簿記のスキルは、企業の規模や業種には関係なく必要とされます。そのため、資格を取得することで、就職や転職の武器となるのです。簿記資格は、日商簿記・全商簿記・全計簿記の3種類があります。仕事に役立てるには、企業から人気があり信頼の厚い「日商簿記」がいいでしょう。3級〜1級がありますが、スキルとして評価されるのは2級以上です。

簿記のメリット

昨年行われた、某資格学校運営企業のアンケートによると、2020年に注目の資格として以下のような結果が出ています。

「2020年に武器になる資格」や「2020年に実際に取得してみたい資格」として、共通して上位に入っているのがTOEIC・FP・簿記などでした。簿記は、昔から人気のある資格ですが、2020年からは大きく仕事・経営・生活スタイルが変化することを受け、さらに注目度は高まると予想されています。というのも、今後は自分のスキルを上げ市場価値を高め、企業から選ばれる存在になることが重要視されているからです。

会社経営の基礎である簿記は、AIの登場により不要になるという見方もあります。けれども、実際に日本の企業現場ではまだまだ先の話。単純作業は機械化されていったとしても、簿記の知識を持ち、分析された数字を元に経営活動を読み解き、経営やビジネスのアイデアや方向性を提案するなどは、「人間」ならではできる仕事でしょう。

2020年おすすめ資格 社労士

正式名称社会保険労務士
資格種類国家資格
分野法律
試験実施団体全国社会保険労務士会連合会(厚生労働大臣から事務を委託)
試験形式筆記
受験資格学歴
・4年制大学で一般教養科目の学習が終わった人
・4年制大学で62単位以上を習得した人
・短期大学か高等専門学校を卒業した人
・就業年限が2年以上
 かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了

資格
・司法試験予備試験に合格した人
・行政書士の資格を持っている人
試験日2023年8月27日(日)
受験料15,000円※非課税
受験者数(2023年度)42,741人
合格者数(2023年度)2,720人
合格率(2023年度)6.4%
フォーサイト合格率(2023年度)26.4%
偏差値65
社労士・社会保険労務士について詳しくはこちら

社労士がおすすめの理由

「社労士」とは、社会保険労務士の略称です。社労士は、企業をクライアントとして主に以下の仕事を行います。

  • 労働関連法令や社会保障法令に基づく書類などの作成
  • 企業経営における、労務管理や社会保険などに関する相談や指導

社労士は、社会保険・雇用保険・厚生年金、労働者名簿、賃金台帳、就業規則などの作成を行う専門家で、企業が健全な運営を続けていく上では欠かせない存在です。年々複雑になっていく社会保障制度の上手な活用や、モラハラやパワハラなどの問題に備え経営者と雇用者とのよりよい関係の構築など、その知識は非常に大切です。

社労士資格取得者は、一般的に独立開業するか企業内の人事や総務部門で働くか2通りに分かれます。独立する場合は、社労士資格と合わせて、FPや行政書士の資格を取得し仕事のはばを広くする人が多いようです。

これからの社労士は、ただ単純に書類の代行申請をするだけではなく、企業の人事や労務の管理体制を強化し、問題解決を行えるコンサルタントとしての要素が大切になります。独自のサービスを行える社労士に対するニーズは、2020年以降も高まっていくでしょう。

社労士のメリット

2020年は、大きく経済・雇用・生活スタイルが変化を迎えた年。新型コロナウイルスの感染拡大は、採用市場にも大きな変化をもたらすこととなりました。ここ数年は、人材不足による売り手市場となっていましたが、経済的な打撃や景気の低迷から採用の取りやめや見合わせをする企業も増えました。また、緊急事態宣言により休業を余儀なくされた企業も多いのです。かつては考えられないほどの大きな社会の変化により、今社労士は非常に注目されています。

今後、いつ終息を迎えるかわからない状況の中、人事雇用や労務対策、休業申請・助成金などの手続き、メンタルヘルス対策ほか、企業や経営者の悩みを解決に導く社労士が必要とされているのです。
感染症終息後も、どのように変化していくのか見通しが全く立たない今、経営者のサポートをして支えていく頼り甲斐のある社労士は、AIではなく人間だからこそできる仕事です。

2020年おすすめ資格 インテリアコーディネータ

正式名称インテリアコーディネーター
資格種類民間資格
分野生活
認定団体公益社団法人インテリア産業協会
試験形式マークシート
受験資格特になし
試験日一次試験:10月上旬
二次試験:12月上旬
受験料14,850円
受験者数(2022年度)8,943人
合格者数(2022年度)2,193人
合格率(2022年度)24.5%
フォーサイトの合格率(2022年度)-
偏差値53
インテリアコーディネーターについて詳しくはこちら

インテリアコーディネーターがおすすめの理由

インテリアコーディネーターという資格は、ここ数年来注目を集めています。例えば、誕生日・クリスマス・ハロウィンなどのイベントも、以前とは異なり外でパーティーを行うよりは、家で飾り付けをしてテイクアウトや自家製料理で楽しむ傾向に変化しているのです。また、高齢者が安心して暮らせる部屋にしたい・断捨離して自分好みのインテリアにまとめたい・ナチュラルで省エネの住宅にしたい・ペットと快適に暮らせる家にしたい……など、人々が家や部屋に関心を持つようにもなっています。

さらに、「新築」よりもコストパフォーマンスの高い「中古のリフォーム」や「リノベーション」を求めるという考え方の浸透もあり、居心地のいいインテリアを考えアイデアを提供してくれるインテリアコーディネーターが注目されているのです。

そして2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「ステイホーム」「家で過ごす」が新しい生活スタイルとなりました。家で仕事をする・家で遊ぶなど、「家」をいかに居心地のいい空間にするかが重要な生活のテーマとなったのです。けれども、インテリアのカッコよさと機能性の両方を重視するのは、知識がないと大変!カラーのセンスも必要になります。インテリアのお悩み相談に乗ってくれ、家族のように親身になって空間コーディネートを考えてくれるインテリアコーディネーターは、2020年以降もニーズが高まる仕事でしょう。

インテリアコーディネーターのメリット

2020年、すっかり人々の間で定着した「ステイホーム」。もともと、コロナ以前も、外で遊ぶより節約できて楽ちんなために「家で過ごす」方向にあったものの、コロナ拡大がその後押しとなりました。

家でリモートワークをする人が増え、デスクやチェア、食料や感染症対策グッズなどを貯蔵する収納家具が売れています。感染症が収束しても、以前の生活は大きく変化するといわれている社会。どのような工夫をしたら、居心地のいい部屋や家になるか、提案しコーディネートしてくれるインテリアコーディネーターは強い味方です。また、コロナ問題のみならず、今後増加すると見込まれている空き家のリノベーションでは、インテリアのプロのアイデアやアドバイスは欠かせません。

最近は、インテリアコーディネーターと家のインテリアを考えて欲しいユーザーとをzoomを使いオンラインで結びつけるサービスもスタートしています。オンラインでヒアリングから提案を行い、お客さん側が自分で部屋の寸法を測るなどを行ってもらう分、料金も安くなるそうです。自宅にいながらにしてプロにインテリアの相談ができ、自分好みの家や下手が作れる……そんな新しいスタイルの仕事もこれからはニーズが高まると期待されています。

2020年、新しい生活スタイルに合った資格に注目

2020年は、年明けすぐから世界的なコロナウイルスの感染拡大が長引き、仕事や生活のスタイル、価値観を大きく変ることが重要になりました。それによって、「取得しておくことで今までよりもさらに役立つ」「自分の市場価値をあげられる」「ニーズが高まる」資格が注目されることとなったのです。

今回ご紹介した5つは通信講座で勉強することができる資格。ぜひ、ご自分に合った資格取得に挑戦してくださいね。