今、話題の「M&A」とは?

更新日:2020年4月27日

今、話題の「M&A」とは

「M&A」を知っていますか?
ニュースや新聞でも時々、話題になるので耳にしたことがあるかもしれません。
「M&A」はMergers(合併)and Acquisitions(買収)の略です。複数の企業をひとつの企業に統合したり、ある企業が他の企業の株式や事業を買い取ったりする事をいいます。

近年「M&A」の件数は全体的に上昇してきています。大企業だけでなく、中小企業の件数も増加傾向です。そこには中小企業ならではの理由や実情が隠れています。それが分かると今後、中小企業診断士として解決していかなければならない課題も自ずと見えてきます。
今回は「M&A」の基礎知識に加え、中小企業診断士との関連性も解説していきます。

➡中小企業診断士についてはこちら!

関連記事:

「MBO」と「EBO」そして「MBI」について解説!

M&Aの手法のひとつ「LBO」と「TOB」を解説

目次

「M&A」とは?

先程「M&A」は複数の企業をひとつの企業に統合したり、ある企業が他の企業の株式や事業を買い取ったりすることだと説明しました。「M&A」は狭い意味では合併と買収を言いますが、広い意味では、経営権を移転しないまま何らかの協力関係を構築する資本提携や業務提携も含まれています。「M&A」は国内企業同士だけの話ではありません。近年、海外企業と日本企業を結ぶ「クロスボーダーM&A」も注目されています。

売り手と買い手。それぞれの事情とは

企業を合併したり買収したりする場合、企業は基本的に売り手(譲渡側)と買い手(譲受側)のどちらかに位置します。当然そこには会社を「売りたい」「買いたい」と考える目的や理由が存在します。

①売り手(譲渡側)の理由

売り手(譲渡側)の目的や理由として事業承継や新規事業、企業再生などが考えられます。 昨今、中小企業を悩ませている課題のひとつが後継者不足です。代々、継承されてきた技術や製品が自分の代で終わってしまうことを危惧し、自分に代わって引き続き事業を行ってくれる別の企業へ譲渡するのです。これは中小企業にとって大きな決断ですが、技術や製品が途絶えることなく継続できるので前向きな解決方法といえます。

また企業が新規事業に力を注ぎたいと考えた場合、現存の事業を売却しその上で新しい取り組みに着手することもあります。
業績の悪化など自力で存続することが不可能となった際、倒産ではなく売却という形で企業の再生をはかる場合もあります。

②買い手(譲受側)の理由

買い手(譲受側)の理由のひとつに既存事業の強化というものがあります。まず、シェアの拡大や技術力の強化をはかるために同業者を買収します。さらに販売部門や製造部門を強化するために川上、川下の産業を買収する場合もあります。これにより安定した業績を保ちつつ、技術面や販売面の強化が可能になります。

また多角化戦略の一環として買収を検討する場合もあります。飽和状態の市場から一歩抜け出し、新規事業に進出するため他企業を買収し、それを活用して新たな市場へ参入するのです。

まとめ・中小企業診断士と「M&A」の関連性

「M&A」は大手の専門会社や弁護士、公認会計士、税理士が手掛けているイメージがありますが、最近は後継者不足で中小企業でも「M&A」が増加傾向にあります。そのため中小企業診断士が中小企業の「M&A」をコーディネートする案件も増加しています。

中小企業診断士は弁護士や税理士、社会保険労務士などあらゆる士業と深い関わりがあり、幅広い人脈を駆使して日々、活動しています。その繋がりを生かし、売り手と買い手のニーズに合わせた案件をコーディネートすることが出来る中小企業診断士が今後求められることでしょう。

買い手が「M&A」を実行すると市場シェアはどう変化するのか、現状の事業に与えるシナジー効果、コストの変化などを論理的に導き出すことは中小企業診断士が得意とする分野です。

「M&A」は今後もますます活発になっていくと考えられます。中小企業診断士として何ができるのか、何が求められているのかを確実に見極める力を身に付けていくことが必要になってきています。

無料資料請求

参考:M&Aは個人でもできる?個人が中小企業をM&Aで買収する方法を徹底解説!M&Aナビ

この記事の監修者は
小嶋聖司(こじま せいじ)

中小企業診断士の学習は楽しい
【出身】千葉県
【経歴】千葉大学法政経学部卒 中小企業診断士
【趣味】読書・サッカー
【座右の銘】和して同ぜず
フォーサイト講師ブログ

中小企業診断士コラム一覧へ戻る