統計データから見る!行政書士の年収はどれくらい?

統計データから見る!行政書士の年収はどれくらい?

行政書士の年収は高い?低い?

日本行政書士連合会(日行連)が行ったアンケートによると、年間売り上高が500万円未満の会員は80%近くもいます。一方、1億円を超える会員も0.3%います。

これは売上なので、大まかに言えばここから経費を引いた金額が年収になります(複数人の事務所はその限りではありません)。このデータをもとに、行政書士の年収について考えていきたいと思います。

目次

日本行政書士会の統計から考える年収

日本行政書士会の統計から考える年収

8割近くが年商500万円以下

年間売上高 割合
500万円未満 78.7%
1,000万円未満 11.3%
2,000万円未満 5.3%
3,000万円未満 1.8%
4,000万円未満 0.8%
5,000万円未満 0.5%
1億円未満 0.8%
1億円以上 0.3%

この年間売上から経費を引いたものが年収と考えられます。

事務所を借りているか、補助者・従業員がいるかによっても経費は大きく変わってきますが、自宅兼事務所で1人営業であれば9割くらいが収入になるので、年商500万円であれば年収450万円くらいになります。

年商3,000万円以上になると、事務所を借りていて補助者や従業員がいることが多いので、経費が大きくなります。仮に試算すると、全体の30%~40%が経費になるので、最終的な収入は2,100万円~1,800万円になります。これを、所属する行政書士の人数で割るので、1人当たりの年収としては500~700万円くらいになるでしょうか。

統計データを見てみよう

年間売上高 割合(平成30年) 割合(平成25年)
500万円未満 78.7% 78.0%
1,000万円未満 11.3% 11.4%
2,000万円未満 5.3% 5.0%
3,000万円未満 1.8% 1.9%
4,000万円未満 0.8% 0.9%
5,000万円未満 0.5% 0.6%
1億円未満 0.8% 0.7%
1億円以上 0.3% 0.3%

これは、平成30年と平成25年に日行連が行なったアンケートの結果です。

回答数は平成30年で4,338通と、全会員の1割にも満たないのでこの統計がすべてとは言えませんが、おおむね実情に合っていると思います。

平成25年のデータと比べて5年間でほとんど変化はありません。
年商500万円未満の小規模事務所が圧倒的に多く、1,000万円以上の事務所は全体の1割にも満たないことが分かります。
これだけみると、「行政書士は儲からない」と感じますが、実はそうではありません。

平均年収はどれくらい?

公的な統計はないので、年商からの推測や実際に行政書士として働いている人たちの実感からの推測になりますが、平均年収は300万円~600万円くらいと言われています。
かなり数字の開きが大きいのですが、年商500万円未満が8割近いことを考えると、300万円程度の行政書士が多いのだと思います。

しかし、実際は1,000万円、2,000万円と稼いでいる行政書士も大勢います。

なぜ、年商・平均年収が低くなっているのか

平均と言うからには儲かっている行政書士も、儲かっていない行政書士も全て含めた数字です。
行政書士の特徴として、平均年齢が高く、実働していない会員が多い(一説によると4割近いとも言われている)ので、その人たちが平均年収を押し下げている、という一面もあります。

つまり、まともに営業している行政書士はもっと稼いでいる、と言えます。

また、独立開業している行政書士は就業時間や休日が自由になるので、のんびり自分のペースで働いて年収300万円くらいあれば良い、と考える人もいます。

副業で行政書士をしている人は、月に10万円も稼げれば十分なこともあります。

会社員のようにカレンダーや会社に縛られて働かずに得られる収入だとしたら、相対的に高収入であるという考え方もあります。

新人行政書士とベテラン行政書士の年収

新人行政書士とベテラン行政書士の年収

続ければ続けるほど年収が上がる

どんな士業も、長く続ければ続けるほど年収が上がってきます。
それは、顧客からの紹介がだんだん増えて行くからです(そういう意味では、顧客からの紹介がもらえないような事務所は先細りです)。
そのため、新人の頃は辛くても2年、3年と続けていくとだんだん経営が楽になってきます。

新人行政書士の年収

新人行政書士の年収は300万円前後くらいでしょう。
200万円台の人も多いかもしれません。

新人と言っても特定の分野のスペシャリストだったり、働いていた事務所を独立する際に顧客を付けてもらっているような人だと、500万円、600万円と稼ぐこともあります。
中には「いきなり1,000万円稼げる」という本やセミナーもありますが、ごく少数の話です。

新人のうちは仕事に慣れないので数をこなせず、その分稼ぎも少なくなりがちです。
しかしそれは時間が解決してくれるので、焦ることはありません。

ベテラン行政書士の年収

5年を超えると、年収500万円くらいが普通になってきます。
個人事業主にはボーナスが無いことを考えると、年収500万円を稼ぐのはなかなか大変です。

ベテランになってくると、以前付き合いがあった顧客が別の顧客を紹介してくれるようになったり、他士業の仲間が出来てそこからの紹介がもらえるようになってくるので、仕事の量が増えて経営が安定してきます。

紹介する方も、新人行政書士だと不安があるので新人のうちはなかなか紹介が取れないかもしれませんが、続けて行くうちに解決します。

10年近く行政書士を続けていると、年収700、800万円くらいには手が届くはずです。
それくらいになると、普通に会社員として働いているより忙しくなってくるので、補助者を雇ってさらに拡大していくか、現状を維持するか迷う頃です。

行政書士資格を取ると年収は上がる?

行政書士資格を取ると年収は上がる?

資格で年収は上がるのか?

行政書士は仕事の幅が広く、働き方も選べるのでコスパが良い資格だと言えます。
しかし、実際に年収は上がるのか、そこが気になる人も多いのではないでしょうか。
もちろん一概には言えませんが、年収が上がる可能性は高いので、どんな場面で年収が上がるのかをご紹介します。

資格手当で年収アップ

会社の規定で、資格手当がもらえることがあります。
大きな会社だと手当が出ることが多いですが、働いている部署によっても異なります。
だいたい1~2万円くらいの手当が毎月出るので、年収にすると12~24万円くらいのアップになるでしょう。

また、行政書士資格を取ったことで新しい権限や仕事を与えられて、結果として年収がアップすることも考えられます。
資格手当と合わせると、大きな年収アップにつながるかもしれません。
資格を取って給料が下がるということはまず考えられないので、どんどんアピールしていきましょう。

開業して年収アップ

最も年収アップが狙えるのが、独立開業です。
理屈だけで考えれば、努力次第でいくらでも年収アップが狙えます。
稼げるチャンスと自信がある人は、独立開業する事が一番稼げます。

ただし、開業して半年から1年で廃業する行政書士も多いので、考えなしに開業するのは危険です。
会社が副業を認めているのであれば、最初は副業として始めてみてお給料プラスアルファの稼ぎを狙ってみましょう。

独立開業してからも、アルバイトと並行しながら行政書士をするという選択肢もあります。
他士業の事務所でアルバイトをすれば、自分の仕事にとってもプラスになるでしょう。

行政書士で高収入が狙えるのはこの仕事!

行政書士で高収入が狙えるのはこの仕事

稼ぎたければ高収入が狙える仕事に特化する

行政書の仕事には、スポット業務と言われるものと、顧問業務と言われるものがあります。
スポット業務は1回きりの業務で、許可や届出、相続の仕事がそれにあたります。
顧問業務は、継続して仕事がある業務で、毎年更新があるような仕事がそれに当たります。

顧問業務をたくさん持っていれば安定した収入が期待できます。
そのため、顧問業務は競争が激しい一面があります。
スポット業務は一見不安定ですが、高額報酬になる仕事も多いので、スポットと顧問をうまく組み合わせることで、高収入が狙えるでしょう。

簡単な仕事は単価が低くなりがちですが、薄利多売で稼ぐという方法もあります。
どれを選ぶかは、実際に経験してみないと分からないかもしれませんが、あらかじめ考えておくことが大事です。

建設業

建設業関係の業務には、許可を取るスポット業務と、毎年の報告を行う顧問業務があります。
多くの場合、許可を取った行政書士事務所がその後の報告も担当するので、顧問業務につながりやすく、誰もが狙っている業種です。

建設業の顧問先をたくさん持っている行政書士事務所は安定した収入があります。
行政書士最大手と言われている事務所も、建設業に特化しています。
建設業は古くからの行政書士が多数手掛けているので、新人は参入が難しい一面もあり、大都市部では価格競争が厳しい側面もあります。

産廃

産業廃棄物の収集・運搬や処理のための許可を取る仕事です。
産廃は主にスポット業務です。
建設業許可を取った会社が産廃も合わせて取ることが多いので、建設業を手掛けている行政書士事務所は合わせて産廃の仕事もしていることが多いです。

複数の都道府県、自治体にまたがる営業の場合、それぞれの自治体に対して許可申請が必要なため、スポット業務でも単価が高額になりやすい仕事です。
許可後に営業が拡大したときに、追加で許可が必要になることが多く、リピーターも狙えるので人気の仕事となっています。

風俗営業

風俗営業とは、バーやキャバクラ、スナックなどの営業のことです。
ゲームセンターやパチンコ、麻雀も風俗営業に当たります。
これらの営業許可を取るのが、行政書士の仕事です。
基本的にスポット業務です。

他の業務と比べて、図面作成や出店可能かどうかの周辺調査が必要など難易度が高いため、報酬は高額です。
また、建設業や産廃のように大勢の行政書士が手掛けているわけでなないので、値崩れしにくいというメリットがあります。

風俗営業業界は業界内でのつながりが強いので、一度信頼されると次々にお客様を紹介してもらえることが多いです。
そのため、スポット業務ですが、比較的安定した収入が見込めます。

相続

相続手続きの代行、相談などの業務です。
基本的にスポット業務です。

この仕事は、他士業、特に弁護士や税理士、司法書士と共同で行うことが多く、チームを組んで活躍している行政書士も多いです。

遺産の金額に応じた報酬設定をすると、高額報酬を狙えます。
ただし、ほとんどすべての士業がこの分野を狙っているので、価格競争は激しいです。

他士業とうまく連携していくと、定期的に仕事が来るので安定した収入が見込めます。

まとめ

どんな資格でも、資格を取ったら即高収入ということはありません。
それは行政書士も同じです。

特に独立開業を考えるのであれば、営業力が重要です。
そして、どんな仕事を専門に選ぶかによっても収入は変わってきます。

単に金額だけで考えるのではなく、ワークライフバランスややりがい、生きがいなども合わせて考えてみてほしいと思います。