5年に1度、必須受講の社労士倫理研修とは?欠席するとどうなる?

5年に1度、必須受講の社労士倫理研修とは?欠席するとどうなる?

社労士倫理研修

「職業倫理」はどんな仕事においても重視される要素であり、社労士もまた例外ではありません。しかしながら、日常の業務に追われる中ではつい、職業上守るべき基準や規範がおざなりになってしまう場面もあるかもしれません。

社労士業でいえば、より多くの顧客を獲得したいがために大げさな宣伝広告を出す、顧客が不利益を被らないよう帳簿書類に手を加える等、社労士として実務をこなす上では、目先の利益ばかりを考えるあまり、社会的役割や責任に反した行いにふらっと傾く瞬間がやってくるものです。

実際に職業倫理が欠如した行為に手を染めるかどうかは、どの業界においても、個々の倫理観に委ねられています。社労士は、定期的に倫理研修を受講し、人事・労務の専門家として誠実な業務遂行に努めることが義務として課されています。

目次

社労士の倫理研修とは?

社労士として登録したら、指定された時期に必ず倫理研修を受講しなければなりません。研修開催日の3ヵ月前を目安に案内が都道府県社労士会から案内が届き、開講日と会場、当日までに受講すべきeラーニングの連絡がきます。

「倫理研修」というと、どこか哲学的な難しいものというイメージがありますが、社労士の倫理研修はそれほど堅苦しいものではありません。ここでは、社労士の倫理研修について、頻度や内容を把握しましょう。

社労士の倫理研修は、5年に1度の必須受講

社労士の倫理研修は毎年受けるべきものではなく、5年に1度の頻度で受講します。受講のタイミングは登録年度ごととなり、前述の通り、受講年度に案内が送られてくるので、必ずしもご自身で覚えておかなくても分かるようになっています。

受講対象者は全国一律で決められていますが、実施は都道府県社労士会によって行われるため、実施日や会場は都道府県ごとに異なります。

社労士の倫理研修は通常の必須研修会とは別格

社労士登録をすると、倫理研修だけでなく、様々な研修の案内が届きます。有料で受講できる任意の研修とは別に、年度の前後期で行われる必須研修(無料)等もあり、受講すべき研修と特段必須でないものとの判断に迷われることもあるでしょう。

ここで一つ注意すべきは、「倫理研修はすべての社労士が義務として受講すべき最重要研修」であるということです。

例えば、前後期の必須研修は、名称としては「必須」となっているものの、未受講であっても厳密に追及されることはありません。

一方で、倫理研修の未受講は処分の対象になり得るため、指定の研修日に必ず受講する必要があります。

社労士の倫理研修の内容やテキストについて

社労士の倫理研修では、実務上判断に迷う場面を例に、社労士として取るべき対応の検討が中心となります。

例えば、労働関係法令に違反する事業所に対する指導の仕方、広告宣伝の仕方など、実際にありがちな事例、考えさせられるテーマが中心となるため、実務家であれば各人が関心をもって取り組める内容となっています。

倫理研修で用いるテキストは、すべての都道府県会が統一となっていますが、当然のことながら内容や進め方は会場ごとに少しずつ異なります。また、研修参加前には指定のeラーニング講座の受講が求められ、事前に社労士の職業倫理の基本を学んでおくこととされています。

社労士の倫理研修に欠席するとどうなる?

倫理研修に欠席するとどうなる?

前述の通り、社労士の倫理研修は義務として受講しなければならず、未受講のままという状態は認められません。指定の日程に受講できない場合、社労士会で複数の実施日程・時間帯を設けているのであれば事前に変更を申請することができます。

何かしらやむを得ない事情のある方は、受講猶予を申し出ることができますが、原則として、健康上の理由や親族の看護、出産など、特別な理由が求められます。また、受講猶予者は翌年度の倫理研修を必ず受講しなければなりません。

万が一無断欠席してしまった場合、研修開催日から14日以内に都道府県社労士会に報告書を提出しなければなりません。その際、正当な理由がなければ指導の対象となります。また、無断欠席後の報告を怠った方についても同様に、指導対象となります。

指導対象者には、翌年の倫理研修受講が促されますが、それでもなお受講しない者は会則等の遵守違反に該当し、都道府県社会保険労務士会会則に基づく処分の対象となります。

ドキドキ!社労士の倫理研修で行われるグループディスカッションとは?

倫理研修で行われるグループディスカッションとは?

ところで、インターネットで検索すると、社労士の倫理研修で座学に加え、「グループディスカッション」が行われたという話をよく見かけます。この点、確かに都道府県会によっては、事例検討の際に少人数制のグループディスカッションが行われる場合があります。

「同業者とはいえ、初対面の人と意見を交換するなんて」と身構えてしまう方もいるかもしれませんが、実際に取り組んでみると、個々が経験した実務上の実話を共有することができ、有意義な場所となるようです。登録したてで実務経験に乏しい新人社労士にとっては特に、今後の参考になる話に多く触れることができるかもしれません。

なお、グループディスカッションは、東京会など受講者の多い会場では行われないこともあります。

まとめ

  • 社労士として登録すると、5年に1度、倫理研修を受講して職業倫理を学び直す機会が設けられます
  • 社労士の倫理研修では、職業倫理に関わる基本事項の他、ケーススタディを通して実務上よくあるテーマへの対応を学ぶことができます
  • 数ある研修の中でも、倫理研修はすべての社労士が義務として受講することになっており、未受講者は指導対象となります
  • 社労士の倫理研修では、都道府県によってはグループディスカッションが行われることがあり、受講者同士の情報交換から学べることは多岐に渡ります