社労士試験「一般常識」の勉強法!過去問・テキストメインの対策を考える

社労士試験「一般常識」の勉強法!過去問・テキストメインの対策を考える

社労士試験の「一般常識」とは?過去問・テキストメインの対策を考える

社労士試験では労働・社会保険の主要法令の他、「一般常識」として関連法令や統計、白書等の膨大な範囲からの出題があり、受験生にとっては悩みのタネとなっています。

「一般常識」という名称から、「対策せずともどうにかなるだろう」と考える受験生は少なくありませんが、ひとたび一般常識対策を始めてみれば、こうしたスタンスで太刀打ちできる科目でないことは容易に気が付くはずです。

このページでは、受験生の大半が苦手とする社労士試験の一般常識について、出題の傾向や対策のコツを解説します。

目次

社労士試験の一般常識とは?

社労士試験の一般常識は、

  • 労務管理その他の労働に関する一般常識(「労一」「労働一般」等といわれる)
  • 社会保険に関する一般常識(社一)

の2分野に分かれています。

「一般常識」とはいえ、世間一般での常識が問われるのかといえばそうではありません。

あくまで労務や社会保険の分野で把握しておくべき法律の知識や最近の傾向、統計がテーマとなっており、受験生にとってはニュース等で見聞きしたことのある話題もあれば、社労士試験対策を通じて初めて知る事柄も少なくないでしょう。

出題範囲の幅広い社労士試験の一般常識ですが、取り組みのコツを心得ておくことで、ぐんと対策が立てやすくなります。

「一般常識なんてどこが出るか分からないし、結局“運”だから」と諦めるのは、非常にもったいないことです。

社労士試験の一般常識はどこから出題されるか?

社労士試験の一般常識対策を考える上では、第一に「出題傾向を探る」ことが重要です。

試験範囲は膨大ですが、例年狙われやすい分野、おさえておくべきポイントは、過去の出題からある程度把握できます。

社労士試験の一般常識対策上、重視すべきは「厚生労働白書」「労働経済白書」そして「周辺法令」の3つです。

それぞれについて、労一、社一の対策ポイントを解説します。

厚生労働白書

厚生労働白書の中身は、下記の2部構成となっています。

  • 第1部 厚生労働行政分野の特定のテーマに関わる「現状分析」と「施策」の紹介
  • 第2部 厚生労働省が様々な政策課題にどのように対応しているかの年次報告

第1部では年度ごとに異なるテーマについて、第2部では例年同様のテーマについて、統計データを元にした分析や政府の取り組みが報告されています。

社労士試験の一般常識で狙われやすいのは「医療」「介護」「年金」「少子高齢化」「財政」であり、社一対策では必須のテーマです。 受験年度の前年の白書を中心に、頻出テーマに関わる近年の動向を確認しておきましょう。

社労士試験の一般常識出題例「厚生労働白書」編

社労士試験の一般常識のうち、厚生労働白書からの過去問を確認します。

厚生労働白書からの出題は、具体的な数字やキーワードに注意が必要です。

平成27年度 一般常識(社一) 問9 肢E
[本問は平成26年版厚生労働白書を参照している]
日本の高齢化率(人口に対する65歳以上人口の占める割合)は、昭和45年に7%を超えて、いわゆる高齢化社会となったが、その後の急速な少子高齢化の進展により、平成25年9月にはついに25%を超える状況となった。
答え・・・○
最近の統計から「平成25年9月にはついに25%を超える」という点をおさえていれば正答できる問題です。

平成30年 一般常識(社一) 問10 肢D
[本問は、平成29年版厚生労働白書を参照している]
年金積立金の運用状況については、年金積立金管理運用独立行政法人が半期に1度公表を行っている。厚生労働大臣が年金積立金の自主運用を開始した平成11年度から平成27年度までの運用実績の累積収益額は、約56.5兆円となっており、収益率でみると名目賃金上昇率を平均で約3.1%下回っている。
答え・・・×
「半期に」→「四半期に」、
「平成11年度から」→「平成13年度から」、
「下回っている」→「上回っている」です。
いずれかのひとつのポイントを把握できていれば、誤りの肢と判断できます。

労働経済白書

労働経済白書は、下記の2部構成となっています。

  • 第1部 労働経済の推移と特徴
  • 第2部 年度ごとに特定テーマに関わる分析と政府の取り組み状況

「毎年共通のテーマ」と「年度ごとに変わるテーマ」という白書の構成は、厚生労働白書とかなり似通っています。社労士試験対策としても、こうした白書の構成を把握した上で、注力すべきテーマを検討するのが得策といえるでしょう。

受験の前年度の白書でテーマとされている内容の他、労一では「失業率」「有効求人倍率」「障害者雇用率」「正規・非正規の動向」「賃金」等のキーワードが頻出です。

社労士試験の一般常識出題例「労働経済白書」編

社労士試験の一般常識対策として労働経済白書を活用する際には、厚生労働白書同様、具体的な数字やキーワードを中心に、白書の記述を正しくおさえておくことが重要です。

以下は、労一の典型的な選択肢の例です。

平成21年 一般常識(労一) 問3 肢B
[平成20年版労働経済白書]
労働経済白書によれば、いわゆるフリーターの推移をみると、2003年にピークを迎えた後、新規学卒者の就職状況が改善したこともあり徐々に減少したが、滞留傾向が懸念される年長フリーターが引き続き課題となっており、また、若年無業者(15~34歳の非労動力人口のうち、家事も通学もしていない者)の推移をみると、2007年は162万人と、前年に比べて大幅に増加した、としている。

答え・・・×
平成20年版労働経済白書では「フリーターは減少、若年無業者は横ばい」との記述があります。よって、後段は「162万人と、前年に比べて大幅に増加した」→「前年と同水準」です。

平成24年 一般常識(労一) 問3 肢E
[若年層の雇用等に関して。(平成23年版労働経済の分析(労働経済白書))]
1990年代後半から2000年代の新規大卒採用の動向を事業所規模別にみると、文系理系とも1,000人未満の事業所で着実な増加傾向がみられる一方、1,000人以上の事業所では、理系は増やすが文系は減少させる傾向がみられる。
答え・・・×
30~99人規模の小規模事業所においては、増加傾向にありません。
また、1,000人以上の事業所では、文系理系ともに増加傾向にあります。

主要科目以外の周辺法令

社労士試験の一般常識では、白書の他、周辺法令からも多く出題されます。

ひと口に「周辺法令」といっても様々ありますが、ここでは特に重視すべき代表的な法律を、労一、社一の別に挙げておきましょう。

○ 労一
最低賃金法、労働組合法、労働関係調整法、労働者派遣法、育児介護休業法、男女雇用機会均等法
※労働者にとっては比較的身近な法律を中心におさえておきましょう

○ 社一
国民健康保険法、介護保険法、児童手当法、社労士法
※その他、社会保障制度全体の歴史や、確定給付・確定拠出からの出題も多く見られます

社労士試験の一般常識勉強法

社労士試験の一般常識には出題傾向があるとはいえ、労一、社一それぞれにかなり広範な内容を網羅しておくべきであることは言うまでもありません。

とはいえ、一般常識は社労士試験の数ある試験科目の一つに過ぎないこと、そして択一式では労一・社一セットで10問の出題(各5問ずつの出題)であることを鑑みれば、一般常識対策に必要以上に注力するのは得策ではありません。

社労士試験の一般常識対策は「広く浅く」を前提に、あくまで合格基準のクリアを目標とした取り組みを心がけましょう。

効率の良い対策法

「広く浅く」がポイントとなる社労士試験の一般常識対策では、専用の対策講座やテキストの活用が不可欠です。

試験本番までの限られた時間の中で、出題範囲をすべて網羅するのは到底不可能ですし、膨大な範囲の中から狙われる事項を正しく抽出することも容易ではありません。

社労士試験対策講座の一環として提供される一般常識講座の活用を中心に、頻出箇所を効率良く確認するのが得策です。

以下に、白書対策と法令対策それぞれの取り組みのコツをまとめます。

社労士試験の一般常識対策 白書/法令

白書編

  • 前年度の厚生労働白書、労働経済白書を中心に、頻出の高齢社会白書、男女共同参画白書、女性労働白書の要点を把握しておく
  • 白書の内容はすべて読み込まなくとも、最低限、概要(要約)を把握しておく
  • 統計は「細かい数字」ではなく「ざっくりとした数字」の把握で問題なし
    (例 27.5%→20%台後半、30%弱)
  • 統計調査の結果だけでなく、名称と概要も把握する

一般常識対策「法令編」

  • 過去の出題頻度の高い法令を中心に、話題になったテーマに関わる法令をおさえる
  • 各法令の目的条文、理念条文、責務条文は、キーワードに注意しながら読み込む
  • 過去2~3年以内に法改正のあった法令は、その改正内容を中心に把握しておく

最適な開始時期

社労士試験の一般常識対策は、遅くとも「6月」から着手しましょう。

開始の目安は「主要科目の学習がひと通り落ち着いた段階」ですが、「いつまでも主要科目が不安」ということでは一般常識対策はどんどん後回しになってしまいます。

例年、試験直前になっても「一般常識対策が終わらない」と焦る受験生は少なくありません。 たとえ6月の段階で主要科目に自信を持てなくとも、一般常識対策を開始するようにしましょう。

6月早々から対策を始めて、6月下旬から7月にかけて行われる模擬試験で実力を試していければ、知識量の確認や新たなポイントのインプット、学習の軌道修正に役立ちます。

一方で、模擬試験の段階になっても「一般常識はまだまだこれから」では、肝心な本番に間に合わない可能性が高いといえます。



社労士試験においては「鬼門」とされる一般常識。

大半の受験生が対策に苦戦する分野ではありますが、取り組みのポイントをおさえ、十分に時間を確保して学習できれば、合格基準の突破は難しいことではありません。

労一、社一の特徴である膨大な試験範囲に立ち向かう上では、「最初から諦めないこと」そして「完璧を目指さないこと」が大切です。

社労士試験対策講座を活用し、必要な知識を効率良く習得しましょう。