社労士試験「健康保険法」の勉強法!対策のポイント理解で得点アップ!

社労士試験「健康保険法」の勉強法!対策のポイント理解で得点アップ!

社労士試験「健康保険法」まとめ

「健康保険」というと、一般の私たちにとってはなじみ深いテーマの様に思われます。
しかしながら、社労士試験科目としての健康保険法は、一般常識と同レベルの鬼門といわれ、受験生の多くが苦手意識を抱きがちです。
実際のところ、条文と通達を組み合わせた設問、難解な専門用語等がネックとなり、特に選択式では頻繁に救済措置が行われています。
第40回試験(平成20年度)では「1点以上」という異例な合格基準が設定されたこともあります。

目次

社労士試験「健康保険法」の特徴まとめ

社労士試験における健康保険法は、例年、受験生泣かせの科目として有名です。
幅広い範囲からまんべんなく出題があり、狙われる項目の絞り込みが難しく、時には予期せぬポイントが問われる等、社労士試験科目の中では特に対策に苦戦する分野といえます。
また、多岐に渡る給付を理解すること、耳慣れないキーワードの習得、通達対策も、受験生の悩みのタネとなります。
社労士試験の健康保険法では択一式で「6点確保」を目標に、対策としては「広く浅くの全体理解」「頻出ポイントをおさえること」を心がけて取り組むのが得策です。

社労士試験「健康保険法」対策のポイント

社労士試験における健康保険法対策のポイントは、

  • ✓ まずは全体像の把握と、全範囲まんべんなく基本知識を習得すること
  • ✓ 「総則」「被保険者」「保険給付」「費用の負担」のキーワードに重点を置くこと
  • ✓ 頻出の通達を確認すること

です。

ポイントはたった3つですが、おそらくこれらを忠実に対策するだけでもかなりのボリュームになるはずです。
加えて、健康保険制度の成り立ちや背景についても頻出です。
健康保険法は内容が複雑なため、すぐに理解できなくても気にせず、反復して取り組む姿勢で取り組みましょう。
また、傾向対策には、過去問や模試の活用が必須といえます。

大原則となる「条文理解」は丁寧に

比較的広範な範囲から出題実績のある健康保険法では、全体を幅広く網羅しておくことが対策の基本となります。
条文の内容を中心に、全範囲の理解に努めましょう。
その際、標準報酬や保険料の考え方、各給付の支給要件、内容など、複雑多岐に渡る内容理解はなかなか前に進まないかもしれませんが、諦めずに繰り返し学習することが重要です。
また、健康保険法では、条文の知識を実例に当てはめて考えさせる問題も頻出です。
こうした応用問題に対応するためには、まず条文理解ができていることが原則となります。

「基礎理解」が健康保険法対策の基本!

難易度の高い出題が目立つ健康保険法ですが、一方で、条文の内容を正しく理解しておくだけで対応できる問題もあります。
むしろ、このような基本問題での失点が合否に大きく影響するため、確実に得点できる様にしておく必要があります。


健康保険法において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいうが、臨時に受けるもの及び3か月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。

答え・・・○
(健康保険法3条5項)


保険給付を受ける権利は、健康保険法上、必要と認める場合には、譲渡や担保に供したり又は差し押さえることができる。

答え・・・×
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない
(健康保険法第61条)

出題難易度を一気に高める「通則事項」対策には講座利用がマスト

健康保険法が難しいといわれる所以は、「本則以外からも出題される」点にあります。
ひと口に「通達」といっても、その内容は多岐に渡り、これらのうち試験で狙われるポイントを絞り込んで確認しておくことは、受験生にとって容易なことではありません。
条文以外の出題に対応するためには、社労士試験対策講座で頻出の通則等を効率良くチェックするのが得策です。
下記は、条文以外からの出題の一例です。


特定適用事業所に使用される短時間労働者について、1週間の所定労働時間が20時間未満であるものの、事業主等に対する事情の聴取やタイムカード等の書類の確認を行った結果、残業等を除いた基本となる実際の労働時間が直近2か月において週20時間以上である場合で、今後も同様の状態が続くと見込まれるときは、当該所定労働時間は週20時間以上であることとして取り扱われる。

答え・・・○
(平成28年5月13日保保発0513第1号年管管発0513第1号)


長期間にわたり海外支店に勤務し、国内において勤務していた会社における雇用関係が消滅したと認められる場合には、被保険者資格を喪失させることができる。

答え・・・○
(昭和25年保発20号)

合格ライン突破のカギは「過去問対策」にあり

出題事項の読みにくい健康保険法対策は、いかにして効率良く進めていけるでしょうか?その答えは「過去問活用」にあります。
毎年同じ条文が狙われることがある他、「通達」対策については過去問から本試験で出るポイントを把握することができます。
7年分程度の過去問に取り組むことで、ある程度の傾向対策が可能です。
また、過去問以外の問題集を使って、類似問題を数こなしておくこともお勧めです。
テキスト内の問題、予想問題集、模擬試験での出題は、一つひとつの選択肢の論点、根拠となる条文や通達を丁寧に確認しておきましょう。

健康保険法の勉強は「苦手意識を克服し“広く浅く”の対策」がカギ

冒頭で触れた通り、社労士試験の健康保険法は受験生の大半が苦手としがちな科目です。
対策のポイントはこのページの各項で解説した通りですが、大前提として「苦手意識を持たないこと」「出題範囲にまんべんなく取り組むこと」が重要です。
その上で、頻出テーマをチェックできれば、「6点確保」の目標にぐんと近づくことができるはずです。
また、社労士試験のどの科目にも共通して言えることですが、「法改正対策」も抜かりなく行いましょう。
試験年度の前年だけでなく、過去3年程度の改正項目はおさえておくと安心です。

番外編 社労士試験健康保険法 難問に挑戦!

最後に、合格基準点「1点以上」となった第40回試験における健康保険法選択式問題を見ておきましょう。
今後、このような難問が出題されないとは限りません。
この問題に「独学で対応できるぞ!」と断言できない方には、対策講座の受講を強くお勧めします。

第40回(平成20年度)健康保険法 選択式 問題

健康保険組合間における財政調整を行うために健康保険組合連合会が行う交付金の事業に要する費用に充てるため、健康保険組合は拠出金を拠出するが、当該拠出金の拠出に要する費用に充てるために、健康保険組合が徴収する調整保険料の額は、次のようにして定められる。
すなわち、調整保険料額は、各月につき、各被保険者の標準報酬月額及び標準賞与額にそれぞれ調整保険料率を乗じて得た額であるが、調整保険料率は、基本調整保険料率に【A】を乗じて算出される。
基本調整保険料率は、財政調整のために交付される交付金の総額の見込額を健康保険組合連合会の会員である全健康保険組合の組合員である被保険者の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額の合算額の見込額で除して得た率として【B】が定める。
【A】は、健康保険組合連合会の会員である全健康保険組合の平均の【C】に対する各健康保険組合の【C】の比率を基準として、厚生労働大臣の定める範囲内で、【D】が定める。
また、健康保険組合の自律性の強化及び事務負担の軽減を図るため、一般保険料率と調整保険料率を合算した率に変更を生じない【E】の変更の決定については、厚生労働大臣の認可を要しないこととされている。

(1)全国健康保険協会(2)保険給付額(3)後期高齢者支援金等(4)高齢者加入率
(5)医療給付率(6)一般保険料率(7)見込所要保険料率(8)調整保険料率
(9)前期高齢者納付金等(10)診療報酬支払基金(11)修正率(12)負担率
(13)地方厚生局長(14)健康保険組合連合会(15)保険料総額(16)厚生労働大臣
(17)社会保障審議会(18)所要保険料額(19)都道府県知事(20)中央社会保険医療協議会

第40回(平成20年度)健康保険法 選択式 解答・解説

いかがでしょうか?健康保険法の選択式では、時折かなり難解な問題があることがお分かりいただけたと思います。

解答は下記の通りです。 概ね難問ですが、【B】【E】については何とか正答しておきたいところです。
【A】(11)修正率
条文からの出題(健康保険法施行令第67条第1項)です。
【B】(16)厚生労働大臣
同じく、条文からの出題(健康保険法施行令第67条第2項)です。
【C】(7)見込所要保険料率
同じく、条文からの出題(健康保険法施行令第67条第3項)です。
【D】(14)健康保険組合連合会
同じく、条文からの出題(健康保険法施行令第67条第3項)です。
※ここまでは、健康保険法施行令第67条を知っていたかどうかの問題なので、正答できずとも仕方ありません。
選択肢の絞り込み、そして推測から何とか1問当たるかどうか・・・という問題です。
【E】(6)一般保険料率
条文からの出題(健保法160条13項)です。
受験生であれば知識として有しているべきポイントです。

特に選択式で思いがけないポイントが狙われる等、受験生にとってはネックとなる社労士試験の健康保険法。
特に、合格基準点が「1点以上」に設定された平成20年度の選択式の問題をみると「当日にこんな問題が出たら・・・」とイヤになってしまうかもしれませんが、こうした思いはすべての受験生に共通するものです。
最初から諦めず、基本的な試験対策を着実に積み上げていきましょう!