社労士試験の「労一」勉強法 選択式・択一式攻略のカギは「傾向対策」

社労士試験の「労一」勉強法 選択式・択一式攻略のカギは「傾向対策」

社労士試験の「労一」勉強法

一般常識科目は、「社労士試験における鬼門」といわれ、その膨大な試験範囲と出題傾向の読みにくさから、毎年多くの受験生を泣かせる科目として知られています。とりわけ「労一」は、広範囲からの出題であることに加え、難解な用語理解、統計資料の習熟が求められ、傾向を元にした戦略的な取り組みが不可欠です。

ここでは、社労士試験の「労一」を攻略し、ぐんと合格に近づく方法を考えていきましょう。

目次

社労士試験の「労一」とは?

社労士試験の「労一」とは、「労務管理その他の労働に関する一般常識」を指します。

「一般常識」という科目名から、「さほど対策しなくても何とかなるだろう」と安易に考える受験生も少なくありません。ところが、蓋を開けてみれば実に30もの労働関係法令、幅広い労務管理の知識、さらには白書・統計への理解と、多岐に渡る出題範囲がネックとなり、社労士受験生の大半にとって苦手意識を持ちやすい科目となっています。

実際の出題を見る限り、社労士試験の「労一」とは、とても「一般的な常識」とは言い難い専門知識が問われる科目であることは一目瞭然です。

社労士試験の難関「労一」を理解する上では、出題範囲を3つに分け、それぞれの分野で対策を考えるのが得策です。

社労士試験の「労一」① 「労働関係法令」

前述の通り、社労士試験の労一では、およそ30の労働関係法令が出題範囲とされています。具体的には、労働組合法・労働関係調整法・最低賃金法・職業安定法・高年齢者雇用安定法・男女雇用機会均等法・育児介護休業法等の知識が問われますが、どの法律が出題されるかは年度によって異なります。

そのため、まずは例年の出題傾向から頻出法令に的を絞って対策すること、そして試験年度と過去3年以内に話題となったテーマについては正しく把握しておくことが対策のカギとなります。

社労士試験の「労一」② 「労務管理」

実際に労務管理を考える上では、一般的な労務管理の手法を上手く現場に落とし込む作業が必要になることも多々あります。こうした作業をする上で社労士に求められるのは、労務管理の手法や用語に関する正しい知識です。

社労士試験の労一では、職務給と職能給、ハロー効果、寛大化傾向、労働力人口等、人事考課を考える上で重要度の高いキーワード、白書を読み解く上で必要な用語の出題があります。

労務管理は、一般常識からの出題の中でも比較的狙われる傾向がはっきりした分野ではありますが、特に初学者であれば聞き慣れない用語の数々に意外と苦戦するテーマとも言えますので注意が必要です。

社労士試験の「労一」③ 「労働経済」

白書や統計資料からの出題分野である「労働経済」は、社労士受験生が特に苦手としやすい分野の代表格です。

労一の出題範囲となる統計資料は、労働問題・動向が経済に与える影響が数字で示されたもので、具体的には労働力調査、職業安定業務統計、雇用動向調査、賃金構造基本統計調査、賃金引上げ等の実態に関する調査、就労条件総合調査、雇用均等基本調査、大学等卒業予定者の就職内定状況調査、新規学卒就職者の離職状況など多岐に渡ります。

これらをいかにして効率良く、そして正しく把握するかが攻略のカギとなることは言うまでもありません。

社労士試験の「労一」、勉強法は出題傾向を元に考える

勉強法は出題傾向を元に考える

このように、膨大な試験範囲かつ傾向を読み取りにくい社労士試験の労一対策は、受験生にとって大きな難所であることは明らかです。そして、総合得点だけでなく各科目に合格基準点が定められる社労士試験では、いずれの科目でもまんべんなく得点しなければなりません。つまり、「捨て科目」を作ることが許されない社労士試験では、一見すると難解な労一対策も前向きに進めていく必要があるのです。

それではいかにして、社労士試験の労一を攻略できるのでしょうか?対策のカギは、各分野の出題傾向を主軸とした取り組みにあります。

社労士「労一」対策 まずは「法令理解」から

まず、労働関係法令の学習については、主要科目の対策同様、繰り返し取り組む中で徐々に知識を深めていく学習が有効です。当初から細かな暗記にこだわっていては、円滑に学習を前に進めることはできません。

まずはひと通りテキストを読み進めることで概要を理解し、その後複数回テキストを読む、問題演習で知識の補充をしていくといったやり方で、段階的に知識の枝葉をつけていくイメージで取り組むのが得策です。

そしてもちろん、社労士試験で問われやすい法令に重点を置くといった姿勢も大切です。

社労士「労一」対策 基本的な「労務関連用語」をおさえる

社労士試験の労一対策でおさえるべき労務管理用語は、テキストに登場するキーワードを中心に理解を深めていくやり方で十分に対応可能です。また、各キーワードについてはさほど深掘りする必要はなく、その語がどのような内容を表すのか、ざっくり説明できる程度で把握できていることを目標にしましょう。

各用語について、知識の混同が生じやすい分野ですが、一度ですべて覚えようとせず、主要科目の合間等を使って根気強く暗記していくようにすることで十分な時間の確保につながります。

社労士「労一」対策 白書・統計対策は最新の内容で

社労士試験の労一の試験範囲の中で、白書・統計は、選択式で特に狙われやすい分野のため、特に重点を置いて対策する必要があります。とはいえ、ひと口に「白書・統計」といってもその種類、ボリュームは膨大であり、出題ポイントを的確に見定めることは容易ではありません。

受験生が取り得る対策としては、他科目同様、「出題傾向に沿ったポイントをおさえる」といった方法が最も有効です。また、白書・統計対策では、細かな数字を覚え込むことは現実的ではないため、各資料についてざっくりと動向を掴むイメージで取り組むのが得策です。

社労士試験の労一の出題傾向を探ると、試験受験年度の前年の統計や白書を中心に、試験年度の過去3年のうちに特に話題になったテーマに関わる数字や傾向を理解することが有効といえます。

しかしながら、膨大な白書・統計から必要な情報を取捨選択することは受験生にとって容易とは言い難いため、資格予備校が主催する白書・統計対策の活用をお勧めします。

社労士試験の「労一」は、選択式も択一式も傾向対策がカギ

社労士試験では、労一についても選択式、択一式両方で出題があります。受験生の中には、両者の対策を別のものとして考える方も少なくありませんが、選択式、択一式いずれも対策の要は「基本の理解」と「過去の出題傾向に則した対策」であることに変わりありません。

基本的な知識の習得はテキストや対策講座への取り組みで進めていき、過去問演習の段階で選択式、択一式それぞれの出題傾向を踏まえた知識の補填をしていくとスムーズかつ効率的です。

社労士試験の労一で救済はアリ?

社労士試験の労一で救済はアリ?

既にご存じの通り、社労士試験の合格基準の原則は、

  • 選択式
    総合得点 28点以上(40点満点の7割)、各科目 3点以上(5点満点)
  • 択一式
    総合得点 49点以上(70点満点の7割)、各科目 4点以上(10点満点)

ですが、選択式、択一式いずれにおいても例年、試験の難易度に応じて合格基準点の補正が行われます。

2009年度から2019年度までの労一の出題での救済状況は、下記の通りです。他科目と比較して救済の頻度が高いわけではありませんが、出題の状況に応じて適切な合格基準の引き下げが行われていることが分かります。

<選択式>
2015年度、2016年度 (ともに合格ラインは「2点以上」とされる)

<択一式>
2014年度、2016年度 (ともに合格ラインは「3点以上」とされる)

試験対策を考える上で、もちろん「救済頼み」は禁物ですが、一方で必要以上に身構えることもありません。あくまで基本的な知識を正確に習得することで、確実に合格基準を超えることが可能です。

学習の際にはあまり深掘りし過ぎないこと、過去問演習に取り組む際には奇問難問の類に執着しないことを心がけ、あくまで幅広く、基本的な知識をつけることに尽力する姿勢が重要です。

まとめ

  • 社労士試験の労一で合格基準をクリアするためには、「労働関係法令」「労務管理」「白書・統計」の3分野について、出題の特徴を踏まえた対策が必要となります。
  • 社労士試験の労一は膨大な試験範囲がネックとなりますが、過去に問われたことのあるテーマ、基本的な重要事項を中心に、繰り返し学習していくことで段階的に理解を深めていく対策が功を奏します。
  • 特定の分野について深掘りし、完璧な理解を追求する対策は現実的とは言えず、限られた期間内に試験範囲をまんべんなく習得することができなくなる可能性が高いため、注意が必要です。
  • 社労士試験の労一では、過去10年間のうちに選択式と択一式でそれぞれ2回ずつ、合格基準を引き下げる救済措置が講じられています。