社労士試験・労一「障害者雇用促進法」は目的条文と数字をおさえる!

更新日:2021年8月3日

政府策定の働き方改革実行計画にはいくつかの重点施策が盛り込まれていますが、そのうちのひとつに「障害者等の希望や能力を活かした就労支援の推進」が掲げられています。

この目標に向け、近年、改正障害者雇用促進法の施行により、障害者自身が自らの障害の特性等に応じて活躍すること、障害者と共に働くことが当たり前と感じられる社会の実現が目指されています。

この記事では、改正障害者雇用促進法のうち、2021年度以降の社労士試験で狙われやすいポイントを解説します。

目次

「障害者雇用促進法」の社労士試験頻出ポイントとは?

社労士試験頻出ポイントとは

障害者雇用促進法は、障害者雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、職業リハビリテーションの措置等を通じて、障害者の職業の安定を図ることを目的に制定された法律です。

社労士試験・労一では、目的条文や改正項目を中心に出題がみられます。

障害者雇用促進法の目的条文

障害者雇用促進法の目的条文では、以下の措置を総合的に講じることにより、障害者の職業の安定を図ることが記載されています。

✓ 障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置

✓ 雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会及び待遇の確保
並びに障害者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするための措置

✓ 職業リハビリテーションの措置その他障害者がその能力に適合する職業に就くこと等を通じてその職業生活において自立することを促進するための措置

障害者雇用促進法の目的条文に記載されたそれぞれの措置について、社労士試験で狙われそうなキーワードを意識しながら頭に入れておきましょう。

障害者雇用促進法2021年3月施行の改正

昨今の社会情勢の変化、働き方改革の追い風を受けて、障害者雇用促進法は2000年以降たびたび改正されています。

社労士試験対策上、各年度の改正項目については、テキスト等でひと通り理解を深めておきましょう。

ここでは、2021年度以降の社労士試験で狙われやすい数字をピックアップしてご紹介しましょう。以下は、いずれも2021年3月1日より適用となっている内容です。

  • 障害者法定雇用率が民間事業主2.3%、国・地方公共団体2.6%

⇒ 障害者雇用義務の範囲が「43.5人以上の従業員を抱える事業主」に拡大

参考:厚生労働省「障害者雇用率制度」

「障害者雇用促進法」社労士試験出題実績

社労士試験出題実績

「障害者雇用促進法」は、社労士試験労一の出題範囲の中でも比較的手薄になりがちなテーマのひとつのようです。

他分野、他科目との兼ね合いでどうしても対策が疎かになってしまう可能性はあるでしょうが、過去の出題を参考に、最低限おさえるべきポイントを理解して本試験に臨みたいですね。

障害者雇用率(令和2年労一)

以下の選択肢について、正誤を判別する問題です。

「障害者雇用促進法では、事業主の雇用する障害者雇用率の算定対象となる障害者(以下「対象障害者」という。)である労働者の数の算定に当たって、対象障害者である労働者の1週間の所定労働時間にかかわりなく、対象障害者は1人として換算するものとされている。」

回答:×

障害者雇用促進法における実雇用率に係る算定では、障害の程度や週所定労働時間数によってカウントの仕方が異なります。

以下の算定ルールを把握しておきましょう。

① 短時間労働者(週所定労働時間20時間以上30時間未満)として1人雇用した場合
⇒0.5人分の雇用として算定

  • 身体障害者(重度身体障害者を除く。)
  • 知的障害者(重度知的障害者を除く。)
  • 精神障害者(ただし、精神障害者である短時間労働者に係る特例措置に該当する場合は、1人分としてカウント)

② 短時間労働者(週所定労働時間20時間以上30時間未満)として1人雇用した場合
⇒1人分の雇用として算定

  • 重度身体障害者
  • 重度知的障害者

③ 常用労働者(週所定労働時間30時間以上)として1人雇用した場合
⇒2人分の雇用として算定

  • 重度身体障害者
  • 重度知的障害者

障害者雇用納付金(平成27年労一)

以下の選択肢について、正誤を判別する問題です。

「障害者雇用促進法は、事業主に一定比率(一般事業主については2.3パーセント)以上の対象障害者の雇用を義務づけ、それを達成していない常時使用している労働者数が101人以上の事業主から、未達成1人につき月10万円の障害者雇用納付金を徴収することとしている。」

回答:×

障害者雇用納付金の額は、原則として、未達成1人につき月5万円です。

まとめ

  • 障害者雇用促進法は、社労士試験・労一のテーマであり、目的条文や改正項目を中心に出題がみられます
  • 障害者雇用促進法の目的条文には、障害者の職業の安定を図るための3つの措置が盛り込まれており、社労士試験対策上、それぞれについて出題されそうなキーワードを意識したインプットが不可欠です
  • 2021年度以降の社労士試験対策として、2021年3月1日より適用の法定雇用率(民間事業主2.3%、国・地方公共団体2.6%)をおさえておきましょう
  • 障害者の実雇用率算定に関連して、障害の程度や週所定労働時間数に応じた算定ルールを理解しておく必要があります
この記事の監修者は
小野賢一(おの けんいち)

「そうだったのか!」という驚きや嬉しさを積み重ねましょう
【出身】北海道
【経歴】横浜国立大学大学院国際社会科学府修了。社会保険労務士、日商簿記2級等の資格を保有
【趣味】楽器演奏
【受験歴】2022年社労士試験初回受験、合格
【講師歴】2023年よりフォーサイト社労士講座講師スタート
【座右の銘】昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう
フォーサイト公式講師X 小野賢一@社労士専任講師

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