社労士試験「労働基準法」の勉強法!まずは問題の傾向を知ることから!

社労士試験「労働基準法」の勉強法!まずは問題の傾向を知ることから!

社労士試験「労働基準法」まとめ

労働関係法令の基礎となる労働基準法は、社労士試験の受験生の大半が最初に取り組む科目です。
初めて法律を学ぶ方であれば、当初こそ法律特有の言い回しに苦労するでしょう。
しかしながら一方では、他の法令と比較して読み込みやすく、理解しやすいことが労働基準法の特徴です。
とはいえ、実際の社労士試験で労働基準法がどのように問われるかといえば、こうした特徴とは裏腹に、出題難易度の高さが際立つ年度も決して少なくありません。
社労士試験の労働基準法で得点を伸ばすための勉強方法について、考えてみましょう。

目次

社労士試験「労働基準法」の特徴まとめ

働くルールの原則ともいえる労働基準法は、社会人受験生にとっては比較的なじみ深い科目であることから、「簡単」「取り組みやすい」と考える方も多いのではないでしょうか。
ところが、社労士試験科目としての労働基準法は、こうした油断も相まって、意外と得点を伸ばしにくい科目となるケースは少なくありません。
実際の出題をみると

  • ✓ 条文だけでなく、通達や判例からの出題が多く、選択肢の絞り込みが難しい
  • ✓ 選択式は、長文が出題される傾向がある

といった特徴があり、難易度の高さがネックとなります。
労働基準法を得点源とするためには、基礎固めから応用対策まで、幅広く取り組んでおく必要があります。

社労士試験 労働基準法対策のポイント

社労士試験の労働基準法対策のポイントは、「条文理解」と「通達・判例の理解」です。
2008年前後の過去問をみると、本則条文をそのまま引用、もしくは若干書き替えた程度の出題が目立った他、設問が短文にまとめられており、解きやすい科目として位置づけられていました。
ところが近年の労働基準法では、判例や通達からの出題が増えていることに加え、出題自体が長文化の傾向にある等、受験生にとっては一筋縄ではいかない科目へと姿を変えつつあります。
社労士試験の労働基準法で失点しないためには、出題傾向を踏まえ、得点に結びつくような対策を検討しなければなりません。

まずは丁寧な条文理解から

労働基準法を理解するためには、第一に「条文を正しくインプットすること」です。
最初の段階ではあまり細かな部分にこだわらず、各条文の趣旨、内容、対象・対象外の項目に沿って確認を進めます。
法改正が行われた部分については、必ずチェックしておきましょう。
また、受験年度の2~3年前からの動向を元に、出題テーマを予想しておくことも大切です。
法改正事項のピックアップや出題テーマの絞り込みは、社労士試験対策講座を活用することで効率良く進みます。

社労士試験の労働基準法は「条文そのままの出題」あり

さて、冒頭では「判例や通達からの出題」「長文化」といった近年の傾向に触れましたが、労働基準法では、まだまだ「条文理解」がそのまま得点に結びつく出題も見られます。
例えば、以下のような出題です。

「平成28年 労働基準法 問2 肢E」
労働基準法第18条第5項は、「使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、4週間以内に、これを返還しなければならない」と定めている。

答え・・・×
労働基準法第18条第5項「使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない」

よって、あまり細かな点にこだわり過ぎず、条文を正しく記憶しておく対策も必須といえます。

「通達」は要確認!

基本的な条文理解に加えて、通達や判例等を元に実例での取扱いを題材にした設問も、労働基準法では頻出です。
本試験においては、
○ 法律上の不明確な部分を補う施行規則
○ 労働基準法や民法の基本知識を元にした法解釈を要する行政解釈
といった出題が見られ、それぞれに合った対策を講じる必要があります。
例えば、施行規則であれば、対策としては事務的に覚えることが中心となります。
一方で、法解釈を前提とする解釈については、正しく法を読み込み、理解しておかなければなりません。
対策の難しさに加え、数ある通達の中から出題ポイントを絞り込むことは容易でないことから、社労士試験対策講座の活用が対策のポイントとなります。

過去問で確認!労働基準法の通達・判例関連出題

社労士試験の過去問から、労働基準法においてどのような通達・判例関連の出題があるかを確認しましょう。
条文を具体的な事例に落とし込んで検討する問題は頻出です。

「平成30年 労働基準法 問6 肢B」
使用者が労働者の同意を得て労働者の退職金債権に対してする相殺は、当該同意が「労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときは」、労働基準法第24条第1項のいわゆる賃金全額払の原則に違反するものとはいえないとするのが、最高裁判所の判例である。

答え・・・○

「平成28年 労働基準法 問1 肢C」
労働基準法第3条は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、労働条件について差別することを禁じているが、これは雇入れ後における労働条件についての制限であって、雇入れそのものを制限する規定ではないとするのが、最高裁判所の判例である。

答え・・・○

「雇用情勢に関連する出題」に注意

労働基準法では、労働に関わる旬の話題に関わる出題がよく見られます。
下記は、研修医の労働者性を問う内容ですが、医業における切実な労働問題は社労士業界では頻繁に話題に上がるテーマです。

「平成29年 労働基準法 問5 肢E」
医科大学附属病院に勤務する研修医が、医師の資質の向上を図ることを目的とする臨床研修のプログラムに従い、臨床研修指導医の指導の下に医療行為等に従事することは、教育的な側面を強く有するものであるため、研修医は労働基準法第9条所定の労働者に当たることはないとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。

答え・・・×

再考裁判所の判例は「研修医がこのようにして医療行為等に従事する場合には、これらの行為等は病院の開設者のための労務の遂行という側面を不可避的に有することとなるのであり、病院の開設者の指揮監督の下にこれを行ったと評価することができる限り、上記研修医は労働基準法9条所定の労働者に当たる」とするのが、最高裁判所の判例です。

社労士試験においては、「労働基準法の理解」が他科目の基礎となる

冒頭でも触れたとおり、労働基準法は社労士試験科目となるすべての労働関連法令の基礎となります。
いずれの法律も、それぞれ異なる分野について細かなルールを定めるものですが、基本的な考え方は労働基準法に準じます。
労働の大原則を定める労働基準法から、労災保険法や雇用保険法、徴収法、安衛法、その他の関連法令が派生するイメージで捉えておくと分かりやすいかもしれません。
社労士の専門分野である労務管理を理解する上ために、まず基本となる労働基準法を解釈し、その後に各労働関連法令で知識の枝葉を付けていきましょう。

受験生にとっては比較的なじみ深く、読み込みやすい労働基準法。
ところが、こうしたイメージとは対照的に、社労士試験対策上は注意が必要な科目といえます。
労働基準法の学習では、本則理解に加え、主だった通達や判例、旬の話題に関連するキーワードについても把握しておきましょう。
おさえるべき事項は多岐に渡りますが、社労士試験対策講座を活用することで、効率良く学習が進みます。
また、各項目への対策は、「暗記」と「理解」でそれぞれ方法を使い分けて行うことも重要です。