社労士は就職に不利?40代以降の場合や大学生で有資格者の就職事情

社労士は就職に不利?40代以降の場合や大学生で有資格者の就職事情

せっかくあなた自身が高い志をもって社労士試験に挑戦しようと思っていても、受験生活の過程では、「資格だけ取得したって社労士で就職なんて厳しい」「社労士は就職活動時に不利になる」「社労士は仕事がない」等の声にやる気が削がれてしまうことも少なくないでしょう。

社労士の就職についてはインターネット上で様々な意見があり、ついネガティブな噂を気にしがちになりますが、それら全てが必ずしも正しいとは言い切れません。

実際のところ、社労士資格の取得が就職の決め手となり、キャリアアップを成功させている方も多くいらっしゃいます。

ここでは、社労士が就職に不利と言われる真意や、就職活動での社労士資格の可能性について考えていくことにしましょう。

社労士は就職に不利?
目次

社労士は就職に不利な資格?

そもそも、社労士は本当に就職に不利な資格と言えるのでしょうか?

業界全体の動向としては、昨今では働き方改革の追い風を受け、労務管理の専門家である社労士の需要は高まりをみせつつあります。

ひと昔前までは、「社労士の企業関与率は3割程度」というのが定説でしたが、2014年11~12月に全国社会保険労務士会連合会が行った調査では、回答企業の「56.4%」が「現在社労士を利用している」と回答したそうです。

また、認知度は96.7%とのことで、社労士業が広く認識されていることが分かります。

社労士の認知度・利用率に関するグラフ

参考:全国社会保険労務士会連合会「社労士のニーズに関する企業向け調査結果について」

こうした背景があるにもかかわらず、なぜ社労士が就職難と言われるのでしょうか?

社労士が就職難といわれる背景

社労士の就職難が叫ばれる直接的な原因は、ITやAIの進展にあると予想されます。

すでに他のページでご紹介した通り、手続き業務を中心とした定型的な社労士業は、今後ますますシステムの活用やAIによる代替が進むと考えられている分野です。

こうした事情を鑑みれば、社労士業の減少、手続き業務を主力とする社労士事務所の人員縮小は容易に想像できます。

一方では、前述の通り、働き方改革の追い風を受ける社労士業務もあります。

今後は、手続き業務以外、例えばコンサルティング業務等に注力する社労士事務所に需要が集中し、それに伴う人員増強が見込まれることは言うまでもありません。

資格頼みではいけない!社労士の就職

社労士資格を取得しても就職できないという事例では、その人自身に問題があることも少なくありません。

これは社労士のみに限ったことではありませんが、多くの士業において資格取得と実務は別物です。

よって、もしも「社労士さえ取得できれば就職できる」と安易に考えているならば、期待通りにはいかない可能性が高いと言えます。
社労士として就職活動に臨む際、単に「資格を持っています」だけではいけません。

これまでのキャリアで培ってきたスキルや知識と就職先が求める人材像とを的確に紐付けてアピールし、さらに社労士としての今後の抱負をしっかり語ることができれば、就職活動は思うように進んでいくはずです。

社労士の就職先として狙うべき候補

社労士資格を活かして就職活動をするのであれば、当然のことながら、社労士有資格者を求める就職先に的を絞る必要があります。

社労士の就職先として一般的に候補となり得るのは、社労士事務所や民間企業の人事・総務部等です。

また、これらの他にも年金事務所等、一部の公的機関の職員採用でも、社労士有資格者であることが評価される傾向にあります。

また、小規模企業への就職活動においては、+αのアピールポイントとして「社労士資格」が注目されることもあります。

労働・社会保険関連手続きは、従業員数の少ない会社であっても例外なく発生する業務ですから、社内における社労士有資格者は貴重な存在となること間違いなしです。

一見すると社労士業とは畑違いの事業を手掛ける会社であっても、就職活動時に社労士資格がきらりと光る可能性があることを覚えておきましょう。

社労士の就職 大学生有資格者の就活事情は?

社労士の就職 大学生有資格者の就活事情は?

社労士試験は、一定以上の単位を取得していれば大学在学中でも受験できます。

2018年度に実施された第50回社会保険労務士試験では、全合格者の0.5%が「学生」であり、大学生にも就職活動に社労士資格を活かす道が開かれていることが分かります。

実際のところ、大学生の就職活動に社労士資格はどんな影響を及ぼすのでしょうか?

ここでは、プラスとマイナスの両面に注目して解説することにしましょう。

社労士資格が就職活動で周囲から差をつけるポイントに

社労士有資格者の大学生として就職活動に臨むことで、書類審査においてはライバルに一歩差をつけることができるでしょう。

もちろん大学生である以上、社労士資格はあっても実務未経験であることは明らかですが、学生の場合は「学生時代に難関国家資格に合格したこと」自体が評価に値します。

難関国家資格の合格は、目標に向かって着実に努力できること、効率良く物事に取り組めることの証明となるでしょう。

前述の通り、社労士試験合格者のうち、学生が占める割合は1%未満とかなりの少数です。

大学生の社労士有資格者は、企業の採用担当であってもなかなかお目にかかることのない人材ですから、自信をもってアピールできます。

ただし、社労士資格が不利に働く可能性も

しかしながら、就職先によっては、「社労士資格を持った新人」が敬遠されることもあります。

特に中小企業においては、まだまだ労務管理が万全な形で行われていないことも珍しくありませんから、「労働関係法令に精通している者は扱いづらい」と捉えられる可能性が高いと言えます。

もっとも、社労士有資格者であることがマイナスに働いたとしても、見方を変えれば「労務管理も適正に行えていない会社に入社せずに済んだ」と前向きに考えることもできます。

社労士資格が就職活動に不利に働いたと考えるか、自分自身を守るフィルターとして機能してくれたと考えるかは、まさにあなた自身の心の持ちよう次第です。

社労士の就職 40代以降の場合

社労士の就職 40代以降の場合

さて、難関国家資格のひとつである社労士を取得してからの就職活動といえども、40代以降の中高齢者となればより一層、「資格さえあれば何とかなる」とは言い難い状況になってくるでしょう。

転職市場においては「35歳限界説」が定説となりつつありますから、40代、50代と歳を重ねるごとに転職へのハードルは高いものとなることは言うまでもありません。

もちろん、「資格取得さえ遅くなったが、長年実務経験に従事してきたキャリアがある」という場合には話は別ですが、実務経験なく社労士資格を活かした就職を目指す40代以降の方の場合にはご自身のアピール材料を吟味しておく必要があります。

社労士としての就職を実現する「資格+α」

40代以降の実務未経験者が社労士資格を活かして就職を目指すなら、「社労士資格のみの一本勝負」ではいけません。

社労士資格以外のスキルや知識についても事前に整理し、就職先に応じて的確にアピールできるよう準備しておくのが得策です。

社労士とは全く異なる業種からの転職の場合、「社労士とは無関係の能力だから・・・」と、就職活動時についこれまでのキャリアを封印しがちです。

しかしながら、これまでの蓄積が意外な評価につながる可能性は無きにしもあらずですから、選考書類には漏らさず記載しておくべきです。

また、就職活動に先立ち、キャリアの棚卸しをしておくと、いざ面接等でヒアリングされた際にもスムーズに受け答えができます。

まとめ

  • 社労士は「就職に使えない資格」と揶揄されることもありますが、働き方改革を追い風に需要が高まっており、企業関与率は2014年時点で56.4%、認知度は96.7%を誇ります
  • 社労士が就職難と言われる背景には「ITやAIの導入による影響」や「個々の就職活動への取り組み方(難関国家資格ゆえ、社労士資格頼みになりがち)」等があるようです
  • 社労士の就職先候補としては、社労士事務所や民間企業の人事・総務部の他、年金事務所等の公的機関も挙げられます
  • 大学生の社労士有資格者は例年、合格者全体の1%未満ですから、学生の就職活動時には積極的にアピールできます
  • 40代以降で実務未経験の社労士有資格者が就職活動を進める上では、社労士資格と併せて、これまでのキャリアからアピールできる要素を活かしていくのが得策です