病院で活躍する社労士になる!単なる勤務社労士を脱し、医療業界の専門家に
更新日:2020年9月29日

- 社労士が医療業界を専門にするなら、第一に「病院勤務を正しく理解していること」が前提となります。
- 病院の労務管理を専門とするならば、「迅速かつ正確な業務遂行」は大前提となります。
- 医療労務コンサルタントになるためには、連合会が実施する研修を修了し、認定を受けなければなりません。
フォーサイト竹田裕一郎のご紹介
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社労士として活躍する上で、特定の業界を専門とすることは、同業者からの差別化に有効です。原則として、社労士の仕事は雇用関係があればどんな業種にも発生しますから、ご自身が精通する業界に特化した集客、働き方が可能となります。
病院の労務管理を専門とする社労士は、選択肢のひとつです。医療の現場では、かねてより長時間労働や待遇等が問題視されていますが、こうした背景を鑑み、社労士会では「医療労務コンサルタント」の育成を推進しています。
今後ますます期待される、病院現場に強い社労士の活躍の可能性について考えてみましょう。
病院で活躍する社労士に必要なノウハウ
人命を預かる病院では、24時間体制勤務、昼夜を問わない突発的な患者対応が求められます。職責の重さに加え、一向に軽減されない激務とこれに伴う長時間労働、働く人の疲弊によって生じる職場内のハラスメント等、病院だからこそ問題視されやすい労務トラブルは多岐に渡ります。
労務管理の専門家である社労士が、あえて病院に特化して活躍するために、「現場を熟知した上での対応」が求められることは言うまでもありません。
社労士として「病院」を理解したアドバイスを行えること
社労士が医療業界を専門にするなら、第一に「病院勤務を正しく理解していること」が前提となります。病院勤務の現状や待遇、現場の声を知り、病院特有の様々な労務課題を的確に抽出した上で解決策を提案できることが不可欠です。
そのために、病院現場に特化する社労士を志す上では医療業界での勤務実績があると心強いのですが、仮にそうでなくても、後述する「医療労務コンサルタント」の認定を受けることで病院勤務に関わる理解を深めることができます。
医師に代わり、迅速かつ的確な事務処理を行えること
社労士が病院の労務管理を専門とするならば、「迅速かつ正確な業務遂行」は大前提となります。顧客である医師は常に多忙を極めることを鑑みれば、社労士は、医療従事者が安心して業務を一任できるパートナーであることが求められます。そのために必要な要素こそ、スピード感や正確さです。
また、小さなクリニックや病院等で、多くの専門家を活用できない場合、社労士資格だけでなく、会計や税務に関わる知識も有する専門家はより一層心強い存在となります。病院では看護師等の女性スタッフが多く活躍しているため、母子健康管理や産休育休手続き、時短勤務といった女性労働者特有の対応に精通していることが望ましいといえます。
病院スタッフが安心して働けるための職場作りを検討できること
病院はどうしても厳しい労働環境となりがちなため、労務管理を担う社労士としては「安心して働ける職場環境作り」に主眼を置くことで、労働者のモチベーション向上、離職率の低下を目指すことが肝心です。
そのために、まずは現場の声にしっかりと耳を傾けた上で、貢献度やスキルに応じた適切な賃金テーブル・処遇の検討、職場内のパワハラ・セクハラ防止や対応策、その他、病院の内情を鑑みた上で労務管理に取り組めるスキルが求められます。
病院専門の社労士になるために「医療労務コンサルタント」のススメ

多忙、激務が恒常化する医療業界ですが、今般の働き方改革を考える上ではもはや「医療従事者だから」という理由で特別扱いをされるべきではないという方針に転換されつつあります。
長時間労働抑制のための時間外労働の上限規制については、現状では適用猶予となっていますが、2024年4月以降は他の業種同様、遵守することになります。つまり、現状は問題が山積する病院における労務管理の必要性は、今後ますます高まっていくことは言うまでもありません。
こうした状況を鑑み、全国社会保険労務士会連合会は厚生労働省、日本医師会、日本看護協会との協力の元、「医療労務コンサルタント研修」を実施し、医療系に強い社労士の育成に乗り出しています。ここでは、病院専門の社労士を視野に入れる皆さんに向け、研修で学ぶポイントを3つ解説します。
社労士目線で、病院という職場の実情や労務トラブルを知る
医療労務コンサルタントになるためには、連合会が実施する研修を修了し、認定を受けなければなりません。医療業界特有の労務問題、具体的には労働時間管理や時間外労働の設定、給与体系、医療従事者の安全・健康確保措置、女性医師や看護師といった女性の就労支援等への対応には、他業種とは異なる視点での検討や提案が不可欠です。
医療労務コンサルタントを志す社労士は、研修を通して病院現場の実情を知り、「医療従事者の勤務環境・労務管理等の改善策」について知識を深めます。
病院の労務管理に携わる社労士が知っておくべきポイントを習得
病院の労務問題の解決には、労働関係法令に関わる十分な知識と理解が必要です。医療労務コンサルタント研修では、医療現場の労務問題を踏まえた上で、現行法でいかに対応できる可能性があるかを習得します。
例えば、不規則な勤務体系に対応するための変形労働時間制、働く人のモチベーションを高めるような適切な処遇の仕方、女性労働者への支援策等、病院で起こりがちな労務トラブルへの解決策を検討します。
病院でのトラブルをケーススタディ
病院の労務管理についてひと通りのインプットを終えたら、その後は事例研究を通して、習得した知識を現場で活かすためにトレーニングします。参加者はグループに分かれて提示された事例について議論を行った後、結論や結論に至った経緯をまとめて発表します。
このように、医療労務コンサルタント研修は、社労士が病院現場の労務課題を把握し、その改善策を学び、得た知識を実際のケースに活かすという一連の流れに取り組ませる内容となっています。
医療業界で働いたことのない社労士であっても、無理なく病院の労務管理の基礎を習得できるというわけです。
まとめ
- 働き方改革を追い風に、今、病院の労務管理に特化した社労士の活躍が期待されています
- 人命を預かる病院では常に激務を余儀なくされますが、その結果、長時間労働が助長されたり、働く人の疲弊によって職場内のハラスメントが誘発されたり等、医療業界特有の労務トラブルが後を絶ちません
- 医療業界における就労環境の改善に向け、社労士業界では「医療労務コンサルタント」の育成が進められています
- 医療労務コンサルタントになるためには、全国社会保険労務士会連合会が実施する研修を修了し、認定を受ける必要があります
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竹田裕一郎(たけだ ゆういちろう)
小さな努力を続けることで道が拓けます
【出身】兵庫県
【経歴】同志社大学大学院法学研究科修了。社会保険労務士、行政書士、宅建士、FP2級等の資格を保有
【趣味】ドライブ、筋トレ
【受験歴】2020年社労士試験初回受検、2023年社労士試験に合格
【講師歴】2024年よりフォーサイト社労士講座講師スタート
【座右の銘】座右の銘 人事を尽くして天命を待つ
●フォーサイト公式講師X 竹田裕一郎@フォーサイト社労士専任講師