社労士(社会保険労務士)試験に最短で合格を目指す!独学の可能性や勉強時間、効果的な勉強法
更新日:2019年12月3日
「社労士試験に最短コースで合格したい!」
このような思いは社労士試験対策に取り組む受験生共通の願いですが、いざ社労士試験対策に足を踏み入れてみると、幅広い試験範囲に難解な法律の理解と、学習には思いのほか時間を要することに気づかされるでしょう。
インターネット上に「社労士試験に最短3ヵ月で合格」「短期合格が可能」等の受験記を見つけると、つい自分も同じように社労士試験に合格できるものと思いがちです。
しかしながら、こうした記事の真偽は定かではありませんから、記事通りに学習が進まず、ご自身の試験対策が難航したとしても自己嫌悪に陥ることはありません。
結論からいえば、社労士試験合格には腰を据えた学習が不可欠であり、そのためには相応の学習時間の確保が必要です。
こうした前提を踏まえた上で、社労士試験合格の最短コースについて考えていくことにしましょう。
社労士試験に最短で合格するための勉強法とは?
社労士試験の最短合格を考える上では、第一に「効率」、そして「根気」を重視し、対策法を練る必要があります。
こうしたスタンスは、独学や通信教育、通学講座といった学習ツールの別を問わず、社労士試験の最短合格を目指す上では共通して心得ておくべき極意とも言えます。
本稿でご紹介する4つのポイント
- 戦略的なスケジュール管理
- 出題傾向を踏まえた対策
- 覚えることは優先順位を意識する
- 短期集中ならとにかく続けること
は資格試験合格を目指す上ではごく基本的な事項ですが、特に「効率」の観点については合格を強く意識するあまりおろそかにされがちな点でもあります。
社労士試験の最短合格を目指す皆さんであれば、常に意識して勉強に取り組みましょう。
社労士最短の極意その1.戦略的なスケジュール管理
冒頭でも触れましたが、社労士試験の特徴といえば何と言っても「膨大な試験範囲」にあります。
試験の科目数としてはざっくり7科目となっていますが、だからといって「7つの法律を学習すれば良い」というわけではありません。
とりわけ一般常識科目に関しては労務管理や社会保険に関わる複数の法令や白書、統計などが試験範囲に盛り込まれており、こうした試験科目の多さこそ、社労士試験が「つかみどころのない試験」と言われる所以となっています。
社労士試験に最短での合格を目指すなら、ただやみくもに取り組むのは得策ではありません。
まずは十分な学習期間を設定し、その中でどのように各科目の取り組みを進めていくのか、そのためにどのような学習ツールを活用するのか等、あらかじめしっかりと「戦略」を立てた上で臨む必要があります。
まずは全体をしっかりと展望することで、計画的に対策を進める方法を考えましょう。
社労士最短の極意その2.出題傾向を踏まえた対策
社労士試験に最短で合格するための戦略を考える上で、「学習効率」は欠かすことのできない要素です。
受験対策を始めた当初こそ、幅広い試験範囲のすべてについて「完璧に網羅しよう」と意気込むものですが、そもそも限られた学習期間内に一般常識科目を含めた全ての法令等を完璧に理解するのは至難の業です。
何年も時間をかけて取り組めば不可能ではないかもしれませんが、労働・社会保険関係法令にはたびたびの法改正が付きものですから、長期受験によって理解に混乱が生じる可能性もあります。
社労士試験に最短合格するための秘訣は、例年の出題傾向に沿った取り組みを実践することです。
各科目について、重点的に取り組むべきポイントとそうでない分野を区別し、取り組みに強弱をつけることで、必要な知識が効率良く頭に入ります。
各法令の完璧な理解を目指すなら、資格取得後に独自に研究に取り組まれても良いでしょう。
今、社労士受験生の皆さんが目指すべきはあくまで「試験対策」ですから、合格に向けて効率重視の傾向対策を進めるのが得策です。
社労士最短の極意その3.覚えることは優先順位を意識する
各科目の出題傾向を踏まえた学習においては、併せて、頻出単元の中でも特に試験に出やすいかどうかの優先順位を意識した取り組みを実践するのが効果的です。
単にいえば、「出題傾向の更なる絞込み」ですが、問題演習や復習時、試験直前期等には特に意識できると良いでしょう。
合格への思い入れの強い受験生こそ、出題傾向や出題の優先順位に関わらず、ご自身の主観を元に偏った学習に取り組む例を散見します。
もちろん、苦手克服は試験対策上不可欠ですが、重点的に対策した箇所が出題傾向から外れた分野の場合、必要以上に時間を割く取り組みは避けた方が良いでしょう。
試験科目に対するご自身の考えとは別に、常に「試験に出るかどうか」を意識した対策を心がける必要があります。
社労士最短の極意その4.短期集中ならとにかく続けること
社労士試験合格にはおおよそ一年間の学習期間を想定できるのが理想ですが、来夏の本試験まで十分な期間を確保できない状態で受験を目指す方もいらっしゃるでしょう。
やむを得ず社労士試験に短期間で合格を目指すなら、ご自身の気持ちや状況に左右されることなく、当初に定めた戦略に従って継続的に試験対策を実践していく必要があります。
ひとたび社労士試験の最短合格を目指すと決めたなら、不安や焦りが強い、仕事が忙しいなど理由をつけて歩みを止めてはいけません。
立ち止まっている間にも本試験は確実に近づきますから、受験を決意したのなら、ただひたすらに継続あるのみです。
「最短で社労士合格」に向けたQ&A
「社労士試験に最短で合格したい」と思っても、いざ取り組んでみるとなかなか上手くいかないことも多い試験対策。
合格体験記等では一年未満の対策期間で合格を掴んだ受験生を見かけるものの、やはり一年程度の腰を据えた対策を講じた上での合格が社労士試験のスタンダードです。
ちなみに著者である私自身は、4度目の挑戦で合格することができました。
「社労士試験 最短」のキーワードからこのページを訪れた受験生のお気持ちは十分に理解できますが、皆さんには、じっくり時間をかけて社労士試験に向き合うことも視野に入れて、前向きに対策に取り組んでいただきたいと思います。
しかしながら、資格取得は夢への通過点に過ぎませんから、社労士試験にはなるべく最短コースで合格し、一日も早く実務の世界に進めるに越したことはありません。
ここでは、社労士試験の最短合格を目指す上で、よくある疑問を2つ解消しておきましょう。
独学でも、社労士試験に最短合格できる?
社労士試験合格を目指すための道は、ひとつではありません。
独学で対策をされる方がいれば、通信教育や通学講座などの受験対策講座を活用される方もいます。
どんな方法で対策をしようとも、最終的に合格を掴みとることができれば、その試験対策は正しいと言えます。
それでは、社労士試験の最短合格を目指す上で、独学はどうなのでしょうか?
結論から言えば、資格受験に精通しているわけではない、なおかつ社労士業界に身を置いたことのない受験生が独学で社労士の最短合格を目指すのは得策とは言えません。
試行錯誤のうちに時間がかかり過ぎる可能性があります。
もっとも、法学部出身者や実務経験者など、ある程度の基礎が固まっている方であれば、独学であっても最短合格は不可能ではないかもしれません。
ご自身の状況を考慮した上で、独学が得策かどうか、講座を活用しなくて良いかを判断する必要があります。
社労士の最短合格を狙うためのオススメ勉強法は?
社労士試験に最短で合格するなら、専用の対策講座の活用がお勧めです。
講座を活用すれば、試験合格を目指す上で心得ておくべきスケジュールや必要なカリキュラム、そして実際に学習を進めていくための教材など、試験対策に必要なツールがすべて提供されるからです。
加えて、学習の途中で疑問が生じた際や勉強が辛くなったときのサポートを、受講講座から受けられることが多い点も特徴です。
独学の場合、スケジュール管理から教材選定、実際の取り組みまで、すべて受験生自身が解決しなければならないため、効率良く社労士試験の最短合格を目指すことが困難となる場合があります。
著者自身、3年間の独学で不合格となりましたが、受験対策講座を活用したところ一度ですんなり合格できました。
社労士試験対策講座には通信と通学がありますが、仕事にプライベートに何かと忙しい受験生であれば、時間や場所にとらわれずに学べる通信教育がお勧めです。
ただし、ひと口に「社労士試験対策講座」といっても様々あります。
通信教育を選ぶ際には安易に価格だけで決断するのではなく、サンプル教材や資料を元に講座内容を十分に比較検討すると良いでしょう。
社労士の最短合格って、どのくらいの勉強時間?
社労士の試験対策に必要な時間数は、一般的には「800~1,000時間」と言われています。
よって、学習時間を下限の「800時間」以下に抑えられれば、「最短合格できた」と考えて良いのではないでしょうか。
最短合格を目指すのであれば、本試験までに「800時間」の確保を想定し、残された期間でどのような配分で勉強時間を確保するか、各期間でどんな取り組みをしていくかを具体的に考えていきましょう。
「社労士試験合格を目指すぞ」と決意したら、ただ漠然と、何の方針もないまま対策を進めていくのではなく、当初に学習計画全体を見据えた上で、日々現実的に実践できる学習内容を検討するのが得策です。
まとめ
- 社労士試験は容易く短期合格が目指せる試験ではないため、どの受験生も概ね一年程度の学習期間を見据えた上で取り組む必要があります
- 社労士試験対策に必要な学習時間は「800~1,000時間」と言われていますから、800時間を切ることができれば「社労士試験に最短で合格した」と考えて良いでしょう
- 社労士試験の最短合格を目指すために重視すべきは「学習効率」と「根気」です
- 社労士試験対策に最短コースで取り組みたいなら、カリキュラムや教材がすべて提供され、学習途中に必要なサポートも受けられる専用の受験対策講座の活用が得策です
- 忙しい毎日の中での社労士試験対策なら、時間や場所にとらわれずに対策に取り組める通信教育に注目しましょう
小野賢一(おの けんいち)
「そうだったのか!」という驚きや嬉しさを積み重ねましょう
【出身】北海道
【経歴】横浜国立大学大学院国際社会科学府修了。社会保険労務士、日商簿記2級等の資格を保有
【趣味】楽器演奏
【受験歴】2022年社労士試験初回受験、合格
【講師歴】2023年よりフォーサイト社労士講座講師スタート
【座右の銘】昨日から学び、今日を生き、明日へ期待しよう
●フォーサイト公式講師X 小野賢一@社労士専任講師