手付とは?解約手付・証約手付・違約手付等の違い|わかりやすく宅建解説

手付とは?解約手付・証約手付・違約手付等の違い|わかりやすく宅建解説

手付を理解する上で必要な手付金等の保全措置、解約手付についてや、手付金の制限についてなどを詳しく解説しています。

是非参考にしてください。

目次

手付とは

売買などの契約の際、先に支払う代金の一部を言います。これは最終的には、品物やサービスの代金に充てられます。

手付の種類(解約手付・証約手付・違約手付など)

1.解約手付

手付や内金、前金などいかなる名目で金銭のやりとりがあっても、明確なやりとりがない以上、解約手付と推定されます。

この手付は契約と同時でなくても大丈夫です。

2.証約手付

契約が成立したという証拠として交付される手付です。

3.損害賠償の予定としての手付

債務不履行があったときに、損害賠償額の予定とするために交付される手付です。

4.違約手付

契約違反があった罰として没収されることとなる手付です。

例)澄江さんは、エステをコースで契約しました。その際、手付金として1万円を支払いました。


契約書によると、その手付金には、エステを受ける際の注意事項や条件などが書いてあり、これに反する行動をとり、特に悪質だと判断された場合には、先に支払った手付金は、没収されるとのことです。

この没収される手付金を、違約手付と言います。

手付金の解除

例)澄江さんは、デパートでとても気に入ったコートを見つけました。しかし店員さんに「1着しかないから今すぐ契約してもらわないと他の人に売ってしまうかもしれない」と言われたので、契約をして予約金を納めました。

ところが、次に行ったお店でさらに気に入ったコートが見つかったため、はじめの契約を無しにしたいと考えました。


考え方

本来、契約自由の原則により、自分の意志で契約した以上、守らなければならないのが原則です。

しかし、誰しも気が変わるということはあるので、法は相手方に損害を与えない範囲でこの身勝手を認めました。これを解約手付といいます。

結論

澄江さんが最初の店に納めた予約金は、通常、解約手付と推定されますので、この手付金を放棄すれば、自由に契約を解除することができます。

解除するための条件

原則1

手付を支払った者(澄江さん)は、それを放棄すれば、自由に契約を解除することができます。

原則2

手付を受け取った者(お店)は、その倍額を返還すれば、自由に契約を解除することができます。

例外

ただし、相手方が履行に着手した後は解除することはできません。

ポイント

解除による損害賠償請求はできません。

手付金の分割

手付金の分割は、宅建業法で禁じられているため、違反となります。分割とすると、買主側に借金を負わせているのと同じ意味となるため、弱者保護の観点から禁止とされています。

手付金等の保全措置・費用や報酬

業者は自ら売主となる売買契約において物件の引渡前に手付金等を受領するときは、 原則として保全措置を講じなければなりません。

  1. 保全せずに売主(業者)は、手付金等の費用や報酬を受け取ってはいけません。
  2. 保全されなければ、買主は手付金等の費用や報酬を支払う必要はありません。

手付金とクーリング・オフ

クーリング・オフできる場合は、売主の業者に2つの義務が生じます。

  1. 撤回・解除に伴う損害賠償または違約金の支払いの請求をしてはいけません。
  2. 受領した手付金その他の金銭をすみやかに返還しなければいけません。

手付金と瑕疵担保責任

瑕疵担保責任とは、落ち度がなくても業者が売主としての責任を負うというものです。では、売買の後、購入した物件に何らかの欠陥があり、買主から契約の解除を申し出た場合、手付金は放棄しなければならないのでしょうか。

結論

手付金は相手が履行に着手するまでという期限つきですが、解除することにより、売買代金はすべて戻ってきますので、結果的に手付金も戻ってくることとなります。

手付に関するよくある質問

未完成物件の手付金保全処置はどのような措置を講じれば良いですか?

未完成物件には、

  1. 銀行等による保証
  2. 保険事業者による保証保険

といった、2つがあります。「指定保険機関との手付金等委託契約」は完成物件のみ可能となります。

未完成物件、手付金等の保全装置をとった場合は契約をできるとありますが、建築確認を受ける前に手付金等の保全をすれば未完成物件は契約できるのですか?

建築確認は受ける必要があります。したがって、建築確認や開発許可の処分がなされた後で、手付金等の保全を行っていれば、未完成物件でも契約することができます。

手付金と中間金についてなのですが、代金の2割と言うのはあくまで手付金のみが対象なのでしょうか?

「手付」の額の制限とは、手付金だけの金額に注目します。そして、その金額は代金の2割までとされています。手付金と中間金を合計して2割を超えても違反とはなりません。