意思表示とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

意思表示とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

意思表示とは
目次

意思表示とは

詐欺、強迫、虚偽表示、錯誤、心裡留保といった当事者間や第三者との関係における物事の原因です。

当事者間の関係

無効もしくは取り消しうる意思表示は以下のものです。

具体例 共通点 本人の落ち度
詐欺 本人が騙されて売る 他人から意思表示を求められた→取消
(場合によっては契約を望む)
騙されたという点に落ち度あり
強迫 本人が脅されて売る 落ち度なし
錯誤 本人が勘違いして売る 勘違いは通常よくあることなので重過失でなければ落ち度なし
虚偽表示 本人と相手方とで嘘をつく 自分自身で意思表示をした→無効 嘘自体悪いので落ち度あり
心裡留保 本人が相手方に嘘をつくこと 原則:有効
例外:無効
嘘をつくこと自体落ち度あり

錯誤について

錯誤による無効は、本人の勘違いについて、
1.重過失がない(重い不注意) かつ 2.重要な部分の錯誤であることの
2つの条件を満たした時のみ主張することができます。

心裡留保について

本人が相手方に「家を売ってあげるよ」と嘘を言えば、通常相手方はこの嘘を信じてしまいます。

それにも関わらず、後から本人が「あれは嘘でした」と言うことを認めるのは、相手方に酷です。

したがって、原則としてこのような意思表示は有効なものとしました。

ただし、相手方が嘘であることを知っていたならば、相手方にとって酷ではありません。それゆえ、そのような場合には無効としました。

意思表示とは

本人と第三者との関係

考え方としては以下の通りとなります。

  1. まず本人か第三者かどちらが勝つのかを決定します
  2. 1.が決まったら、それを法律上どう表現するのかを決定します

本人と第三者との利益状況は以下の4パターンに分けられます。

1.強迫

1.強迫

2.強迫

2.強迫

3.詐欺

3.詐欺

4.詐欺

4.詐欺

3.4.の場合、本人と相手方の優劣がつけられず、困ってしまうので、常に本人が勝つものと法が定めました。

以上のパターンがわかれば、あとは、どの意思表示の場合にどのパターンになるのかを考えれば良いのです。

そして、その次にその法律上の表現を考えます。

  • 詐欺・錯誤→本人は善意無過失の第三者に対抗できません。
  • 虚偽表示・心裡留保→本人は善意の第三者に対抗できません
  • 強迫・制限行為能力による取消→本人は善意の第三者に対抗することができます

意思表示のまとめ

種類 効果 第三者に対して対抗できるか?
詐欺 取り消すことができる 善意の第三者に対しては対抗できない
強迫 取り消すことができる すべての第三者に対抗できる
虚偽表示 無効 善意の第三者に対しては対抗できない。なお、第三者からさらに善意で目的物を取得した者に対しても対抗できない
錯誤
  1. 重過失がないこと
  2. 重要なもの

上記2つの条件を満たせば取消可能。

善意無過失の第三者に対しては対抗できない
心裡留保 原則:有効
例外:相手方が悪意または、過失があった場合は無効
左欄にある例外である場合、善意の第三者に対抗できない
意思能力のない者の行為 無効 すべての第三者に対抗できる
制限行為能力者の行為 取り消すことができる すべての第三者に対抗できる
公序良俗に反する行為 無効 すべての第三者に対抗できる
解除 契約がはじめから無かったことになる 善意・悪意を問わず、第三者に登記が移転していれば第三者が勝つ

第三者の詐欺・強迫

第三者の詐欺 相手方が詐欺の事情を知っていた場合、または知ることができた場合には、契約を取り消すことができます。
第三者の強迫 相手方が強迫の事情を知っていたか否かを問わず、契約を取り消すことができます。

意思表示に関するよくある質問

意思表示をなすについての動機の意味が理解できません。かみ砕いて説明していただけると助かります。

通常の錯誤は、「意思表示」は法律行為の「要素」に錯誤があった場合無効です。

こで、錯誤が発生する過程を見ていきます。

まず結婚して子供が小学校に入学するので、家を建てたいと考えたとします。そのためには、まず土地が必要だと「動機」が発生します。

その後多くの土地を見ていき、小学校に近くスーパー・駅にも近いA土地がいいなと「意思」となり最後にA土地を買いますと「表示」となります。

ここで通常の錯誤ですと、「勘違い」になるので小学校等条件に一番近い土地は実はBであったが、A土地と勘違いをして「表示」した場合、「錯誤」として取り消すことができるという事が基礎となっております。つまり「意思」と「表示」が実は違うものであったという場合に、「意思・表示の要素に錯誤」があるとなり「錯誤」となるという事が民法95条に記載されております。

では(実際にはありえない話かもしれませんが)実はB土地は「建物が建てられない土地」であった場合はどうなるのでしょうか?

その場合、「意思」はB土地、「表示」もB土地を買うで同一となり、民法95条では救われないこととなってしまいます。しかしながら、これを救おうという事が、「判例」ででき、「動機」が「明示的」もしくは「黙示的」に表示されている場合は、95条の錯誤が成立しうる、とされました。

「動機」は簡単に言うと、「家を建てたい」という事になります。通常不動産業者が絡めば、当然に確認するので問題では無いと思いますが、親戚同士等であれば、漏れてしまうケースも考えられるのかと思います。その場合、動機が明示・黙示的に伝わっていれば、「錯誤による無効」ができるという事になります。では明示・黙示はどういう事でしょうか。

そこで次に「明示」「黙示」の事例になります。「明示」は簡単で、例えば親戚の方に「家を建てる土地を探している」という発言は「明示」となります。「黙示」は抽象的な概念で、裁判官の心象等で変わりえますため、明示的にご説明は難しいのですが、例えば「親戚の方は、その方に子供がいることを知っている」という前提で、「30坪くらいで、そばに小学校がある土地ないですか」という聞き方をした場合などは、「黙示的」と判断されることもあるのかと思います。「子供がいることは知っている」「30坪は通常賃貸アパートではなく、自宅の土地となる事が多いのでは」また「小学校の傍がよいと言っていた」と状況がそろえば「黙示的」ともいえます。

色んな場面で「善意の第三者に対抗出来るのか?」の問いがあるたび、この意味がいつも引っかかるので説明してほしいです。

ある問題文では「相手方と通じてした虚偽の意思表示の無効は「善意の第三者に対抗することができない」」とあります。

例えば、Xさんが土地を持っています。税金を逃れたいと思いその土地を「仮想」でYさんに売却しました。この場合、XとYともに、嘘の売買と知っているため、この取引は無効です。

しかし、Yさんが、この事情を知らないAさん(善意の第3者)に売ってしまいました。Aさんは何も知らない、善意の方でした。この場合、Xさんは、その土地は嘘でYに売ったから返してほしい(対抗)という主張をしたとしても、それはできない(対抗することができない)という事になります。

第三者による強迫の場合は、相手方が強迫があったという事実を知っているかどうかが、取消をできるかどうかに影響しますか?

第三者による強迫の場合は、相手方が強迫があったという事実を知っていようと、知っていなくても、強迫にもとづいて意思表示をした者は、常にその意思表示を取り消すことができます。

強迫された者をより強く保護しようという考え方にもとづくものです。