無効と取消とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

無効と取消とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

無効と取消とは?
目次

無効と取消とは

無効と取消について、それぞれの場合を比較しながら違いを把握していきましょう。

無効とは

行為をもともと効力を生じないこととし、無かったものとして取り扱われることを言います。

無効の具体例

  • 公序良俗に反する法律行為
  • 錯誤・虚偽表示・心裡留保による意思表示など。

無効を主張できる人

原則:誰でも主張が可能です。

例外:ただし、錯誤の場合は表意者のみが主張できます。

無効の消滅について

無効できる権利は消滅しません。

無効の追認について

追認しても効力に変化はありません。ただし、無効と知って追認をすると、新たな行為とみなされます。

取消とは

行為をなかったことにすることです。取消によって初めて最初にさかのぼって効力を失います。取消を主張しなければ、有効のままとなります。

取消の具体例

  • 制限行為能力者の行為
  • 詐欺・強迫などによる意思表示など。

取消を主張できる人

  1. 未成年者、成年被後見人、被保佐人といった制限行為能力者本人
  2. 詐欺、強迫を受けて瑕疵ある意思表示をした人
  3. 上記1.2.の代理人あるいは承継人

取消の消滅について

  • 追認をなしうる時から5年で消滅します。
  • 行為の時から20年で消滅します。

取消の追認について

追認すると取り消すことができなくなり、有効なものとして確定します。

無効と取消とは

無効と取消に関するよくある質問

無効と取消の違いがわかりません。

「無効」と「取消し」は、別の概念となります。

「無効」とは、始めから何もない、もともと効果がない、という意味になります。「取消し」は、一応、有効に成立したものを、取消して始めから無かったことにすることです。

詐欺や脅迫に基づく意思表示をした場合の民法96条は「~取り消すことができる。」と定められていますが、心裡留保を定める民法93条は「~無効とする」と定められています。「無効」とされたものは、もともと何もなかったことになるので、取り消す必要もないですし、取り消すことが出来ません(もともと何も無いので)。

「A所有の土地が、AからB、BからCへと売り渡され、移転登記もされている。AB間の売買で、Bに要素の錯誤があるときは、Aは常にCに対してAB間の売買契約の無効を主張することができる。この事例で、Cが移転登記を受ける際に、AB間の売買契約が公序良俗に反し無効であることを知らなかった場合、Cは、Aに対して土地の所有権を対抗できない。」

という問題でなぜCはAに対抗出来ないのでしょうか?

ご質問の問題肢の論点は、「公序良俗に反する行為による無効」についてです。この場合、すべての第三者に対抗できることとなりますので、結果として第三者であるCはAに対抗できないということになります。

「動機に錯誤があったとしても、原則として意思表示は錯誤無効となりません。しかし、表意者が、動機を意思表示の内容に加える意思を明示または黙示的に表示した場合には、動機もまた、法律行為の要素となる場合には、錯誤が成立し、意思表示は無効となります。」という解説をもう少しかみ砕いて説明してください。

『動機の錯誤』とは、たとえば、建物建築のため、更地を探していた甲さん。甲さんは150平米もあれば十分な建物が立つので、そのくらいの土地を探していると不動産屋に伝えていました。いざ物件が見つかり、150平米の土地を買うために契約書を作成していました。その折についうっかり、間違えて1500平米の土地の売買契約書を作成し、署名捺印をしてしまいました。以上の例では、

内心…150平米の土地を買いたい

実際…1500平米の土地を買ってしまった

となり、内心と実際の不一致により錯誤が生じております。『黙示的に表示』とは、明確に言葉や文字では表明していないけれども、様々な事情や周囲の状況を見れば、明示しているのと同様だということです。