保存行為・管理行為・変更行為とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

保存行為・管理行為・変更行為とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

保存行為・管理行為・変更行為とは
目次

保存行為・管理行為・変更行為とは

保存行為・管理行為・変更行為とは、共有物に手を加える場合の方法です。

保存行為

共有物の現状を維持する行為

具体例 共有物の修理/不法占拠者への明け渡し請求
どのように行うか 1人でできる

管理行為

共有物を利用・改良する行為

具体例 共有物を貸すこと
どのように行うか 各共有者の持分の過半数で決する

変更行為

共有物の形もしくは性質に変更を加えること

具体例 別荘の増改築/共有物を売ること
どのように行うか 全員の同意が必要

それぞれの具体例

  • 保存行為…共有物の修理や不法占拠者への明け渡し要求
  • 管理行為…賃貸契約の締結や解除、取消
  • 変更行為…売買契約の締結や解除、取消
保存行為・管理行為・変更行為とは

保存行為・管理行為・変更行為に関する過去問

問題

A、B及びCが、持分を各3分の1として甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 甲土地全体がDによって不法に占有されている場合、Aは単独でDに対して、甲土地の明渡しを請求できる。
  2. 甲土地全体がEによって不法に占有されている場合、Aは単独でEに対して、Eの不法占有によってA、B及びCに生じた損害全額の賠償を請求できる。
  3. 共有物たる甲土地の分割について共有者間に協議が調わず、裁判所に分割請求がなされた場合、裁判所は、特段の事情があれば、甲土地全体をAの所有とし、AからB及びCに対し持分の価格を賠償させる方法により分割することができる。
  4. Aが死亡し、相続人の不存在が確定した場合、Aの持分は、民法第958条の3の特別縁故者に対する財産分与の対象となるが、当該財産分与がなされない場合はB及びCに帰属する。

平成18年度宅地建物取引士資格試験 問4

解説

  1. 正しい。
    共有物の不法占拠者に対する明渡請求は、保存行為に該当します(民法252条但し書、大判大10.6.13)。よって、Aは単独でDに対し、甲土地の明渡しを請求できます。
  2. 誤り。
    各共有者は、自己の持分の割合においてのみ、共有物の不法占拠者に対して損害賠償請求をすることができます(最判昭41.3.3.)。よって、Aは単独でEに対し、損害全額の賠償を請求することはできません。
  3. 正しい。
    裁判による共有物の分割においては、裁判所は、特段の事情があれば、共有物を共有者のうちの1 人の単独所有とし、この者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法によることもできます(同法第258条、最判平8.10.31)。
  4. 正しい。
    共有者の1 人が死亡して相続人がいないときは、特別縁故者に対する財産分与の規定が優先適用されますが、当該財産分与がなされない場合は、その持分は、他の共有者に帰属します。よって、財産分与がなされない場合、Aの持分は、BおよびCに帰属します(同法第255条、第958条の3、最判平1.11.24)。
保存行為・管理行為・変更行為に関する過去問

保存行為・管理行為・変更行為に関するよくある質問

共有について質問します。管理行為ですが、土地の共有の場合例えば、

高橋 六分の四

鈴木 六分の一

伊藤 六分の一

だとしますと各共有者の持分の過半数ですから、高橋単独で土地を他人に貸す事が出来るという解釈でよろしいでしょうか?

その通りです。管理行為は、持分の過半数で行うことができますので、ご質問の事例の場合、高橋さんが、1人で行うことができます。

共有物の不法占拠者に対して「単独で損害賠償請求をすることはできません。」とありますが、この行為は管理行為、変更行為のどちらにあたりますか?

損害賠償請求は単独でできますが、自分の持分を超えるような請求はできないというものになりますので、保存、管理、変更行為の概念には入らないものになります。

「甲土地全体がDによって不法に占有されている場合、Aは単独でDに対して、甲土地の明渡しを請求できる。」この問題文がなぜ保存行為に当たるのかを教えてください。

「第三者」が「不法占拠」を行っており、その第三者への明渡し請求は「保存行為」に該当することになります。