借地借家法~借家の場合~とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

借地借家法~借家の場合~とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

借地借家法
目次

借地借家法~借家の場合~とは

建物の引き渡しを受ければ、賃借人が賃借権を主張することができるという賃借人保護の規定です。

例)太郎さんは次郎さんから家を借りて住んでいました。太郎さんが賃借権の登記をする前に、次郎さんは三郎さんに家を売ってしまいました。

そこで、三郎さんは太郎さんに立退きを請求してきました。

この時、太郎さんは立退かなければいけないのでしょうか。

立退きの請求


民法上、賃借権の登記をしていない以上、太郎さんは三郎さんに賃借権の主張ができず、立退かなければならないのが原則です。

しかし、賃借権の登記は、賃貸人と共同でなければできないので、通常このような登記をすることはできません。このような事情があるにも関わらず、太郎さんが追い出されてしまうのでは、生活の基盤を失うことになり、かわいそうです。

そこで、借地借家法は、引渡しを受ければ賃借権を主張できるものとしました。

結論

太郎さんは家に住んでいる以上、引渡しがなされていると言えますので、賃借権を三郎さんに主張することができます。

適用範囲

適用されるもの

建物の賃借契約に基づく賃借権に適用されます。住居であるか店舗・事務所であるかを問いません。住居でなくても店舗などの場合も生活の基盤となっているからというのが、その理由です。

適用されないもの

  1. 使用貸借契約
  2. 建物の一部で独立性のない部分の「間借り」
  3. 一時使用の目的でする建物賃貸借

対抗要件

引渡しが対抗要件となります。

存続期間

  1. 最長は制限はありません。
  2. 最短…1年未満の期間は、期間の定めのないものとみなされます。
    期間の定めのない場合、借家契約を解除する通知をしてから6カ月を経過した時点で契約は消滅します。

契約の更新について

  1. 更新拒絶の通知をしなければ、前契約の内容と同一条件で借家契約が更新されたものとみなされます。ただし、その期間は定めのないものとされます。
  2. 更新拒絶の通知をした場合であっても、期間満了後に借家人が使用を継続し、賃貸人が遅滞なく意義を述べなければ借家契約は更新されます。
  3. 更新拒絶には方法・要件があります。(以下参照)

更新拒絶(解約申入)

賃貸人がする場合 賃借人がする場合
期間の定めのある場合 ・期間満了の1年前から6カ月前までの間に更新拒絶の意思表示をなし、かつ、正当事由が必要 ・期間満了の1年前から6カ月前までの間に更新拒絶の意思表示をすること。
・正当事由は不要
期間の定めのない場合 ・解約申入から6カ月を経過したときに、解約の効果が生じる。
・正当事由が必要
・解約申入から3カ月を経過したときに、解約の効果が生じる
・正当事由は不要

賃借権の譲渡と目的物の転貸

  1. 賃貸人の承諾が必要です。これがないと解除されます。
  2. 借地の場合のように、裁判所の許可制度はありません。
  3. 賃貸借契約が期間満了により終了した場合(賃貸借が解約申入で終了の場合も)、賃貸人から転借人に対して通知をしないと、転借人を追い出すことはできません。そして、転借人は通知があってから6カ月後に出ていくことになります。
賃借権の譲渡と目的物の転貸

借地借家法~借家の場合~のよくある質問

建物の使用貸借は民法が適用されるため、借地借家法の適用はなくても建物の賃貸借の引渡があれば対抗できるのではないでしょうか?
確かに民法が適用されますが、民法では「登記」が必要となります。一方、借地借家法が適用されれば、生活を守るという面で、引き渡しでも対抗できるという事になります。
民法でも借地借家法の借地も借家でも期間を定めていた場合、基本的には中途解約出来ないと思うのですが、特約にできる旨を入れる事は可能なのでしょうか?
入れることはできます。ただし、賃借人に不利な内容は無効になります。実務面では、ほとんど解約特約が設けられている場合が、大多数です。賃貸住宅は、1ヶ月または、2ヶ月予告期間内で解約できるという内容が多いです。
民法の賃貸借と借地借家法の違いですが、民法は存在期間20年以上、借地借家法は上限30年までですよね?これは土地でも建物でも同じでしょうか?

(民法) 最短に制限はありません。上限は20年を超えることが出来ません。20年を越える場合でも20年に短縮されます。期間の定めのない賃貸借も可能です。

(借地借家法・借地) 最短で30年以上で、上限はありません。期間の定めがなければ30年とされます。

(借地借家法・借家) 最短の制限はありませんが、1年未満は期間の定めがないものとされます。最長は制限ありません。