不当景品類及び不当表示防止法とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

不当景品類及び不当表示防止法とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

不当景品類及び不当表示防止法とは?
目次

不当景品類及び不当表示防止法とは

不動産における具体的な規制として、内閣総理大臣が制限や禁止を定めた内容です。

不当景品類及び不当表示防止法とは

景品類の提供の制限・公正競争規約とは

原則:宅地・建物の取引に際して、業者は景品類を提供することができません。

例外:しかし、例外的に以下の場合は景品類の提供が認められています。

  1. 懸賞により提供する景品類にあっては、取引価格の20倍または10万円のいずれか低い額の範囲内である場合。ただし、景品の総額は取引予定総額の100分の2以内とすること。

    例)くじ引きによる懸賞

  2. 懸賞の方法によらないで提供する景品類にあっては、取引価格の10分の1または100万円のいずれか低い額の範囲内である場合。

    例)来場者全員にプレゼント等

  3. 禁止される「景品類」にあたらない経済的利益の場合。

    例)損害保険料や登記料の負担等

景品類の提供の制限・公正競争規約とは

不当表示の禁止とは

一般消費者に誤認されることによって不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害する恐れがあると認められる表示は禁止されています。

宅建業法で禁止される「誇大広告等」よりも範囲が広いです。

物件の利用制限についての不当表示

  • 業者が、現実には取引をする意思が全くないような物件についての広告をする場合。いわゆるおとり広告です。
  • 中古住宅の販売広告において、建築経過年数を当該住宅の一部増築を行った年から起算して表示する場合。

ローンについての不当表示

  • 不動産の販売広告に銀行ローンの金利を表示する場合において、アドオン方式による利率のみ記載し、実質利率を記載しない場合
  • 単に金融機関に対し、融資のあっせんをするだけであるのに、不動産の販売広告に「ローン提携販売」と表示すること

その他の不当表示

  • 市街化調整区域内の土地の販売広告において、「建物を建築することができない」旨を表示しない場合
  • 土地の全部または一部が高圧電線路下にあるときは、その旨およびその面積、建築が禁止されているときは、その旨も表示すること
  • 新築と表示できるのは、建築後1年未満で、かつ未使用の建物のみ

違反した場合

内閣総理大臣により、

  1. 命令の対象となる事業者に対し、弁明の機会を与えます。
  2. 違反行為を行った事業者への措置命令を行います。措置命令は、すでに違反行為がなくなっている場合でも可能です。

試験に出やすい禁止事項

  • おとり広告の禁止

    次のような表示は禁止されます。

    ・物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示

    ・物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示

    ・物件は存在するが、実際には取引する意思が無い物件に関する表示

  • 実際のものより有利な利率である表示

    割賦販売または不動産ローンの条件について、実質利率を表示せず、アドオン利率のみを表示するなど、実際のものよりも有利であると誤認されるおそれのある表示をしてはなりません。

  • 不整形画地など著しく特異な地勢の土地

    土地の有効な利用が阻害される著しい不整形画地および区画の地盤面が2段以上に分かれている等の著しく特異な地勢の土地については、その旨を明示しなければなりません。

  • 新設予定の駅等

    新設予定の駅等は、その路線の運行主体が公表したものに限り、その新設予定時期を明示して表示することができます。

  • 徒歩による所要時間

    徒歩による所要時間は、道路距離80mにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示しなければなりません。この場合において、1分未満の端数が生じたときは1分として計算します。

  • 商業施設等

    デパート・スーパーマーケット・商店等の商業施設は、現に利用できるものを、物件までの道路距離を明示して表示しなければなりません。但し、工事中である等その施設が将来確実に利用できると認められるものにあっては、その整備予定時期を明示して表示することができます。

  • 全く欠けるところがないことを意味する用語

    事業者は、表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合を除き、物件の形質その他の内容または役務の内容について、「完全」・「完ぺき」・「絶対」・「万全」等、全く欠けるところがないことまたは全く手落ちがないことを意味する用語を使用してはなりません。

不当景品類及び不当表示防止法に関するよくある質問

新聞で建売住宅の販売広告を行うのは規制対象となるようですが、新聞で中古住宅の販売広告を行う場合も規制対象なのでしょうか?そもそも新聞での広告は規制対象という事ですか?

規制対象は物件(建売や中古住宅など)で決まるのではなく、「表示」の内容(新聞での広告など)によって決まります。景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)における「表示」の定義は、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務(サービス)の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示であって、内閣総理大臣が指定するものとされており、具体的な内容は以下の通りです。

  1. 商品、容器又は包装による広告その他の表示及びこれらに添付したものによる広告その他の表示
  2. 見本、チラシ、パンフレット、説明書面その他これらに類似するものによる広告その他の表示(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)及び口頭による広告その他の表示(電話によるものを含む。)
  3. ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオン・サイン、アドバルーン、その他これらに類似するものによる広告及び陳列物又は実演による広告
  4. 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備又は拡声機による放送を含む。)、映写、演劇又は電光による広告
  5. 情報処理の用に供する機器による広告その他の表示(インターネット、パソコン通信等によるものを含む。)

従って、質問にある「新聞で建売住宅の販売広告を行うのは」は、上記の「4」に該当するため、規制対象となります。「新聞で中古住宅の販売広告を行う場合」も、上記の「4」に該当するため、規制対象となります。

宅建業者が広告代理店等に委託して作成した広告ビラ等は、不当景品類及び不当表示防止法の規制を必ず受けるのでしょうか?であれば、広告ビラは、宅建業者自ら作成する必要があるのですか?

広告を宅建業者が作らなければならないというよりも、たとえ広告代理業者に依頼したとしても、責任は宅建業者にある。というものになります。そして、この場合には、不当景品類及び不当表示防止法の規制を受けることになります。

景品類にあたっては、取引価格の20倍または10万円のいずれか低い額の範囲内。但し、景品の総額は取引予定総額の100分の2以内との記載がありますが、「取引価格の20倍」の計算だと1000万円の取引をした場合は高額にならないでしょうか?

取引価格の20倍または10万円のいずれか低い額の範囲内とされています。不動産の場合、価格が高額ですので、結果として低い額の「10万円」となります。