保証と連帯保証とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

更新日:2019年8月6日

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保証と連帯保証とは

債権を強めるために担保をとることを保証や連帯保証と言います。

例)太郎さんは、二郎さんから「家を売ってくれ」と頼まれました。
太郎さんとしては、二郎さんがきちんと代金を払ってくれるかどうか不安です。
しかし、兄弟なので拒むわけにもいきません。

この場合、太郎さんは二郎さんから何か担保をとれば解決します。

しかし、二郎さんにはほとんどめぼしい財産がありません。

それならば、保証人をたててもらうしかありません。

結論
太郎さんは代金債権について、お金持ちの三郎さんに保証人になってもらえば良いです。

保証債務

保証契約の成立

  1. 保証契約は、書面または電磁的記録でしなければ、その効力を生じません。
  2. 保証契約は、債権者と保証人との間で締結されるものですから、主たる債務者と連絡をとらず、主たる債務者からの委託を受けないまま債権者に対して保証したとしても、
    保証契約は有効に成立します

保証債務の範囲

  1. 主たる債務に関する利息・違約金・損害賠償など元本だけでなくすべての主たる債務に従たるものも含みます。
  2. ただし、保証人は自己の保証債務についてのみ、違約金・損害賠償の額を定めることができます。

附従性

  1. 主たる債務が成立しなければ、保証債務も成立しません。
  2. 主たる債務が消滅すれば、保証債務も消滅します。
  3. 主たる債務より保証債務が重くなることはありません。
    重いときは主たる債務と同じになります
  4. 主たる債務が軽く変更されれば、保証債務も軽くなります。
  5. 主たる債務が重く変更されても、保証債務は重くなりません。
  6. 主たる債務に対する請求、その他の時効の中断は保証債務についても効力を生じます。

随伴性

債権が移転すると保証債務も移転します。

補充性

  1. 催告の抗弁権…まず、主たる債務者に請求せよ、という権利
  2. 検索の抗弁権…まず、主たる債務者の財産につき執行せよ、という権利

<連帯保証との違い>
連帯保証については、上記2つの抗弁権はありません。

保証人の資格

原則 何ら制限はありません。
例外 保証人を立てる義務がある場合には、能力者であり、かつ、弁済の資力を有することを要します。

なお、保証人が弁済の資力を欠くに至った場合、債権者は保証人の変更を請求することができます。ただし、保証人が債権者の指名による場合は、この変更請求は認められません。

また保証人は主たる債務者の委託を受けなくても、またその意思に反してもなることができます。

保証人の権利

保証人は主たる債務者の有する抗弁権を援用することができます。ただし、解除権は行使できません。

  1. 相殺の抗弁

    例)二郎さんが太郎さんに以前お金を貸していたなら、これで代金債務を帳消しにできます。このとき、三郎さんもまたこの主張をすることができます。

  2. 時効の援用

    例)主たる債務が時効により消滅していたなら、二郎さんはそれを主張できます。このとき三郎さんもこの主張をすることができます。

  3. 同時履行の抗弁権

    例)二郎さんは太郎さんに「代金は払うけど、同時に家を引き渡して登記の移転もしてくれ」と主張できます。このとき、三郎さんもこの主張をすることができます。

保証人への免除

債権者が保証人の債務を免除しても、その効力は主たる債務者に及びません。
これに対し債務者の債務を免除した場合、附従性により保証人の債務も免除されます。

連帯保証と連帯債務の違い

連帯保証と連帯債務の違いを考える上で、キーワードとなるのが「分別の利益」と「求償権」です。

分別の利益・求償権とは

分別の利益とは、保証人が債務を等しい割合で負担することのできる利益です。
ここで言う求償権とは、自分が弁済した際他の連帯保証人に対し、弁済した分を請求することができる権利を言います。

  • 連帯保証には「分別の利益がない」ため、自分の負担分を超えて弁済しなければ、他の連帯保証人には求償することはできません。
  • 連帯債務には「分別の利益がある」ため、自分の負担分を超えない範囲で弁済しても、他の連帯債務者に対して求償することができます。

保証・連帯保証に関するよくある質問

連帯保証契約は、債権の相殺の抗弁権はなく対抗することができないのではないでしょうか?
保証契約で抗弁権がないのは、「催告・検索」の抗弁権です。「相殺」の抗弁権は、連帯保証契約でも援用できます。連帯保証契約では、債務に関する抗弁はできませんが、債務者の「債権」に関しても、その権利を活用できるという流れになっております。
債権譲渡した場合、随伴性により、主たる債務者に通知すれば保証人には通知しなくても債権を主張できますか?連帯保証人に関しても同じですか?
こちらは、保証人、連帯保証人ともにご理解の通りとなります。
保証、債務とあるのですが、連帯保証と連帯債務の違いがよくわかりません。催告の抗弁権と検索の抗弁権は連帯保証についてないということですが、連帯債務にもないですよね。これは、単なる保証人にしかないということですしょうか?
まず、連帯保証についてですが、これは主たる債務者が弁済の資力を欠くに至った場合、債務を返済する責任が生じます。一方連帯債務ですが、こちらは、一緒に債務を背負っているということを指しますので、主たる債務者と同様に、債務を弁済する責任があります。また、ご理解頂いている通り 催告の抗弁権と検索の抗弁権は、保証人にのみ認められています。
この記事の監修者は
窪田義幸(くぼた よしゆき)

″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
フォーサイト公式Youtubeチャンネル「くぼたっけん」
フォーサイト講師ブログ

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