敷地利用権とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

敷地利用権とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

敷地利用権とは
目次

敷地利用権とは

マンションを利用するには、その下にある土地を使わなければなりません。

宅建においては、建物(マンション)と土地は別個の権利とみなしていますので、土地を利用する権利について検討しなければなりません。 この権利を敷地利用権と言います。

敷地利用権には、所有権・地上権・賃借権・使用貸借などがあります。

使用貸借とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

区分所有者は専有部分の床面積の割合に応じて敷地利用権を共有します。ただし、規約で別段の定めをすることができます。

敷地利用権とは

専有部分と敷地利用権との関係

敷地利用権は専有部分と分離して処分することはできません。(一体性の原則)

ただし、規約で別段の定めをすれば例外が認められ、専有部分と分離して処分することが可能となります。専有部分のみ又は敷地利用権のみについてした処分は無効となります。

しかし、分離処分の相手方が分離処分禁止について善意無過失(分離処分禁止の事実を知らず、かつ、そのことについて過失がない)の場合、その相手方に対して無効を主張することができません。

ただし、「敷地権の登記」がなされている場合は、例え、相手方が善意無過失であったとしても、分離処分禁止に違反した契約の無効を主張することができます。敷地利用権が賃借権である場合、譲渡するには借地権設定者(土地所有者)の承諾又は裁判所の許可が必要になります。

専有部分と敷地利用権との関係

民法第255条の適用除外

区分所有者が、マンションに対する権利を放棄したり、相続人無くして死亡したりすると、民法第255条により、

  • 専有部分…単独所有なので、国に帰属
  • 敷地利用権…共有なので、他の区分所有者に帰属
しかし、これでは専有部分と敷地利用権が分離してしまいます。 そこで、民法第255条は適用しないこととし、専有部分も敷地利用権も国庫に帰属するものとしました。 民法第255条の適用除外

法定敷地と規約敷地

法定敷地

建物の底地である一筆または数筆の土地全体を言います。一筆の土地の上に建物が数棟ある場合には、その土地全体が法律上各建物の敷地となります。

規約敷地

建物の底地になっていない土地を、規約によって、マンションと一体的に管理・使用することにした土地を言います。

例えば、庭・通路・広場・駐車場・テニスコート・附属施設の敷地などです。規約敷地は、法定敷地と必ずしも隣接している必要はありませんが、あまりにも遠隔なものは、管理又は使用上の一体性を欠きます。

法廷敷地と規約敷地

区分所有権売渡請求権

本来、専有部分と敷地利用権は、一体化の原則により、敷地利用権のない専有部分が生じることはありません。

しかし、敷地利用権が賃貸借の場合、賃料の不払いにより賃貸借契約が解除され、敷地利用権を失う場合があります。この場合、専有部分を取り壊して、立ち退くのが筋ですが、マンションにおいては現実的に不可能です。

そこで、敷地利用権を有しない区分所有者があるとき、その専有部分の収去を請求する権利を有する者は、その区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求することができることと定められました。

つまり、その専有部分の収去を請求しうる権利を有する者は、その専有部分の区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すように請求できるものとなります。

これにより、専有部分の区分所有権と敷地利用権は同一人に帰属します。

区分所有権売渡請求権

敷地利用権に関するよくある質問

分譲マンションの専有部分が敷地利用権もろとも国庫に帰属した場合、その後のマンション管理、経営に支障をきたす様に思えるのですが、詳しい解説をお願いします。

国の所有財産となれば、国が管理や処分を行うことになります。

どうしても、マンションの敷地利用権と専有部分を分離して処分する…といういうことが分かりません。

例えば、マンションの一室を土地と建物で分けた場合、どのようなことが起きますでしょうか? あくまで想定ですが、マンションの一室の建物部分を持っている人は、土地の部分を持っている人に地代を払うというようなことが起きることになります。この様に複雑な権利関係にしてしまいますと、不動産の流通が非常に阻害されます。そのため、原則として、敷地利用権と専有部分は切り離して処分することは出来ないという事になります。

敷地利用権は登記できるとのことですが、未登記のケースも多々あると思います。その際も各区分所有者はこの敷地利用権を持っているのでしょうか。

敷地利用権は登記されないこともありますが、建物(専有部分)の所有権をもっていたとしても、敷地を利用する権利(所有権や賃借権)をもっていないと不法占拠していることになってしまいますので、敷地利用権自体はもつことが必要になります。