換地処分とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説
更新日:2019年5月16日
換地処分とは
換地処分とは、土地区画整理事業で行う事業の一環です。具体的には、仮換地の所有権を取得し、仮換地をもともと持っていた土地とみなすことを言います。
まずは、土地区画整理法の流れをみていきましょう。
土地区画整理法の流れ
仮換地換地処分は誰がいつどこでやるの?
誰が | 施行者が行います |
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いつ | 換地計画に係る区域の全物について土地区画整理事業の工事が完了した後に遅滞なく行います |
どこに | 原則として、換地計画に係る区域の全部に行います |
どのように | 関係権利者に換地計画において定められた関係事項を通知して行います。 |
効果 |
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効果発生日 | 換地処分公告の翌日 |
施行地区と施行区域の違い
施行地区とは
土地区画整理事業の対象となる土地を施行地区と呼びます。施行地区では、事業を行う業者に制限はありません。
施行区域とは
施行地区の中でも特に都道府県や市町村といった公的施行者が事業を行う土地を施行区域と呼び、施行地域と区別しています。
仮換地の売買
仮換地を売買できるか考える際、従前の宅地と仮換地の違いと所有権・使用収益権がどちらの場所にあるのかを理解しておくことが重要です。
まず従前の宅地とは、土地区画整理事業が行われる前に使用していた土地のことです。次に仮換地とは、事業が行われるにあたり、新たに指定された土地です。
従前の土地について、所有権をはじめから持っていますが、これは仮換地が指定された後でも変わりません。
つまり、所有権は仮換地に移行せず、ずっと従前の宅地にと留まり続けることになります。一方、使用収益権は、もともとは所有権とセットで従前の宅地にありましたが、仮換地指定後は、仮換地に移行します。
したがって、仮換地の売買や抵当権の設定、所有権の登記をすることはできません。
換地処分に関するよくある質問
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換地処分になると、仮換地から、新しく区画整理された元々自分の土地だったところに戻るわけではないのですか?
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換地処分になると、仮換地から、新しく区画整理された元々自分の土地だったところに戻るケースもあれば、そうでないケースもありえます。
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仮換地については、「仮換地の指定の効力発生の日を通知された日から、換地処分の公告の日まで」効力期間があるかと思いますが、通知だけでなく、その後公告も行うと言うことですか?
それとも、「、、、という公告をしますよ」という通知をするということですか?
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換地処分は、関係権利者に換地計画に定められた事項を通知して換地処分を行い、その後国土交通大臣または都道府県知事が、換地処分があったことを公告します。
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「地役権は、換地処分の公告があった日の翌日以後においても、なお、従前の宅地の上に存続する」とあります。具体的にはどのようなイメージ・状況を想像すればいいでしょうか?
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土地区画整理事業の施行により行使する利益がなくなった地役権は換地処分の公告があった日が終了した時に消滅します。
逆に行使する利益があるような地役権は、そのまま従前の宅地に残るというものです。
たとえば、換地処分の前は袋地になっていて、広い道路に出るためには他人の土地を通らなければならない、通行地役権が設定されていた場合、換地処分によって、土地がきれいに区画整理されて、通行地役権は必要でなくなった場合にはその地役権は消滅するけれども、換地処分が行われたあとでも、その地役権が必要であればそのままその権利は残る。という意味になります。
窪田義幸(くぼた よしゆき)
″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
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