北側斜線制限とは?北側斜線制限が適用される場所や、田園住居地域が制限されるかどうか、道路斜線制限より優先されるかをわかりやすく解説!|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説
更新日:2019年4月16日

北側斜線制限とは(建築基準法第56条第1項第3号)
自分の家の北側の家の環境、特に日照の確保を目的として、建物の高さ制限がなされるものです。これは、建築基準法第56条第1項第3号に規定されています。
制限される場所 ~第一種・第二種低層住居専用地域他~
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居低層地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
上記4つの地域は「良好な住居の環境を保護するために定められる地域」ですので、隣の家の南側の敷地の日照・採光・通風などを保護するため、道路斜線制限や隣地斜線制限による制限よりもさらに厳しい北側斜線制限を設けました。

新設された田園住居地域は?
結論から言うと、田園住居地域も北側斜線制限が課されます。ここで田園住居地域のおさらいをしましょう。
田園住居地域とは?
農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住居に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域です。つまり、「低層住居」という語句が出ていることからもわかるように、田園住居地域を仲間分けすると、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域と同じくくりとなります。

北側斜線制限と道路斜線制限、どちらが優先される?
斜線制限には、北側斜線制限の他に道路斜線制限と隣地斜線制限があります。また、斜線制限ではありませんが、建築基準法関連で、日影規制があります。まずはそれぞれを簡単にみていきましょう。
道路斜線制限とは
道路の幅との兼ね合いで、建物の高さを規制するものです。北側斜線制限と同様に、建物の日照・採光・通風に支障をきたさないようにすると共に道路の採光の確保も目的としています。

隣地斜線制限とは
隣の敷地に建つ建物の通風・採光の環境を確保することを目的とした制限です。

日影規制とは
建築物からできる影が、周辺の土地に一定時間かからないようにすることにより、日照環境を確保するための制限です。

それぞれの制限で、どれが優先されるかは、厳しさにより異なります。つまり、より厳しい制限が優先されることとなります。しかし、北側斜線制限については、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居地域・第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域のみ適用されますので、それ以外の地域については考慮する必要はありません。
北側斜線制限に関するよくある質問
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田園住居地域は北側斜線制限が適用されるのでしょうか?
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田園住居地域では、第一種および第二種低層住居専用地域と同じように北側斜線制限は適用されます。
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「第一種中高層住居専用地域及び第二種中高層住居専用地域において、日影規制の適用区域内では北側斜線制限は適用されない。」という問題文の解説をお願いします。
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日影規制の方が厳しい規制なので、日影規制の対象になるなら、北側斜線制限は適用されないことになります。
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北側高さ制限とはどういう意味でしょうか?
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北側高さ制限は、北側斜線制限と同じ意味となります。
窪田義幸(くぼた よしゆき)
″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
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