根抵当権・元本確定とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

根抵当権・元本確定とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

目次

根抵当権・元本確定とは

根抵当権を学習する前に、まずは抵当権を詳しくみていきましょう。

抵当権とは

抵当権とは、借金をした場合、何か高価なものを担保にして、借金を返せなかった場合に備えます。高価なもの(土地や建物など)が競売にかけられた場合、競落代金から債権者が優先的に借金を返してもらえる権利をいいます。

例)根津さんは、甥から100万円の借金を頼まれました。根津さんは、甥が無職なので返してくれるかどうか不安に思っており、本当は貸したくありません。

しかし、親戚なので貸さないわけにもいきません。この場合、根津さんはどうしたらいいでしょうか?
→もしものときの場合に、何か高価なものを担保にとれば良く、担保は通常土地や建物となります。

このとき、土地や建物に、質権ではなく、抵当権を設定することにより、甥が土地や建物を利用したまま、担保を設定できることとなります。

抵当権

根抵当権とは

抵当権は頻出論点となります。しかしながら、非常に難しく、全範囲を完全にカバーすることは難しいでしょう。また、抵当権を掘り下げた根抵当権はさらに難易度が高いので、出題された際には捨て問と判断して良いでしょう。

上の抵当権の例で、根抵当権を説明していきます。抵当権では、債権(100万円の借金)が特定されていました。100万円を貸す代わりに、土地や建物を担保に 抵当権を設定しました。

一方根抵当権では、この債権が特定されていません。特定はされていませんが、限度額と種類は決められています。債権が特定されないとはどういうことなのか、下記例でみていきましょう。

例)洋菓子店が農家から果物を毎月100万円分仕入れています。農家としては、毎月の商品代を担保する保証が欲しいと思っています。そこで洋菓子店の店舗を担保とすることにしました。

しかし、毎月100万円分抵当権を設定しては抹消してを繰り返すのでは、手間ですよね。そのような場合に、店舗に根抵当権を設定していれば、限度額までは何度も抵当権の設定をしなくとも保証がされるというわけです。

元本確定とは

例)上記例の洋菓子店の売り上げが振るわず、100万円分果物を仕入れても70万円しか返済ができず、翌月も100万円分仕入れたものの60万円しか返済できなかったとします。

この場合、債務は30万円+40万円=70万円です。そして初めに決めていた期限(元本確定の期日)がきました。するとこれ以降果物を仕入れたとしても、店舗により保証されることはなくなります。


つまり、店舗で保証される債権が70万円と確定したわけです。元本が確定すると、農家は洋菓子店の被担保債権(店舗)を競売にかけることができ、根抵当権が設定された店舗(土地・建物)を競売にかけて売れた金額のうち、70万円を返済に充てることができます。

そして、残った金額は洋菓子店のものとなります。根抵当権は抹消登記をしなければ消滅しません。したがって、お金を全部返済し終えたからといって、自動的に消滅はしません。

そのため、期日を決めてその時点でいくらのお金を返済する義務があるのかを把握することが必要となります。これが「元本確定」です。根抵当権の設定のときから3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができます。そして、元本が確定すれば「抵当権」と同じ性質となります。

根抵当権の元本確定前に順位の譲渡や債権譲渡は可能か?

根抵当権者が、元本確定前に同一の債務者に対する他の債権者の利益のために、その順位を譲渡することが可能か?という問題に対して、答えは「できない」となります。理由は、根抵当権の性質にあります。

根抵当権は元本が確定するまでは、債権額がいくらになるのかがわかりません。このような不明瞭な状態では順位の譲渡はできないものとなります。また、順位の放棄や債権譲渡についても同様に不可となります。

根抵当権と相続

根抵当権の債務者が死亡した場合は、6カ月以内に合意の登記をする必要があります。それをしないと、相続開始時に元本が確定したものとみなされるからです。元本が確定するとどうなるかは上で説明した通り、債務の金額が決まってしまい、根抵当権としてそれ以上借入や仕入れなどをすることは難しくなります。

もし、引き続き継続的な取引を続けたい場合は、6カ月以内に後継債務者を決める合意の登記をする必要があります。

根抵当権・元本確定前についてのよくある質問

根抵当権について通常の抵当権との違いを教えてください。

簡単に申し上げると、抵当権とはお金を借りてお金が返せなくなったときは家や土地を競売にかけて、お金に変えて返済するというものです。これにより抵当権は消滅します。

一方、根抵当権とはお金を何度借りても返しても上限金額の範囲内であれば、何度も抵当権を設定したり抹消したりせずに、そのままにしている抵当権のことをいいます。

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