抵当権とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

抵当権とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

抵当権とは?|わかりやすく宅建解説
目次

抵当権とは

抵当権とは、借金をした場合、何か高価なものを担保にして、借金を返せなかった場合に備えます。高価なもの(土地や建物など)が競売にかけられた場合、競落代金から債権者が優先的に借金を返してもらえる権利をいいます。

例)根津さんは、甥から100万円の借金を頼まれました。根津さんは、甥が無職なので返してくれるかどうか不安に思っており、本当は貸したくありません。しかし、親戚なので貸さないわけにもいきません。この場合、根津さんはどうしたらいいでしょうか?

→もしものときの場合に、何か高価なものを担保にとれば良く、担保は通常土地や建物となります。このとき、土地や建物に、質権ではなく、抵当権を設定することにより、甥が土地や建物を利用したまま、担保を設定できることとなります。この例でいうと、被担保債権が100万円の借金、担保物権が土地建物となります。

抵当権の事例

抵当権の性質~物上代位性など~

1.附従性

  • 被担保債権が成立しなければ、担保物権も成立しません。
  • 被担保債権が消滅すれば、担保物権も消滅します。

2.随伴性

被担保債権が移転すれば、担保物権も移転します。

3.不可分性

被担保債権についての全部の弁済がなされるまで、目的物全部について権利を行使することができます。

4.物上代位性

目的物が売られたり、貸されたり、滅失したりして、他の請求権(代金請求権・賃料請求権・保険金請求権)が生じた場合には、抵当権の効力が及びます。ただし、払い渡し前に差押することが必要です。

物上代位とは?|わかりやすく宅建解説

抵当権の設定と効力~地上権について~

内容

  1. 抵当権者は、債務者または第三者が専有したまま、債務の担保とした不動産について、債務が弁償されない場合に、不動産を換価して優先弁済を受けることができます。
  2. 地上権または永小作権も抵当権の目的とすることができます。

効力

  1. 抵当権の効力は、抵当地の上に存する建物を除いて、原則として、目的物の附加一体物にも及びます。
  2. 果実には効力が及ばないのが原則ですが、債務の不履行が生じた場合には、その後の果実にも、抵当権の効力が及びます。

ここでいう附加一体物とは、抵当不動産にくっついて、一体となった雨戸などのことを言います。また、果実には、天然果実と法定果実があります。天然果実の例として、木の実が法定果実の例としては、アパートの家賃があります。

範囲

抵当権者が優先弁債権を主張できる被担保債権の範囲は、元本および満期となった最後の2年分の利息、遅延損害金等です。

抵当権で担保される
  • 元本
  • 1年分の利息
  • 元本
抵当権で担保されない
  • 2年を超える利息

根抵当権とは

上の抵当権の例で説明していきます。

抵当権では、債権(100万円の借金)が特定されていました。100万円を貸す代わりに、土地や建物を担保に抵当権を設定しました。一方根抵当権では、この債権が特定されていません。特定はされていませんが、限度額と種類は決められています。債権が特定されないとはどういうことなのか、下記例でみていきましょう。

例)洋菓子店が、農家から果物を毎月100万円分仕入れています。農家としては、毎月の商品代を担保する保証が欲しいと思っています。そこで洋菓子店の店舗を担保とすることにしました。

しかし、毎月100万円分抵当権を設定しては抹消して…を繰り返すのでは、手間ですよね。そのような場合に、店舗に根抵当権を設定していれば、限度額までは何度も抵当権の設定をしなくとも保証がされるというわけです。

根抵当権・元本確定とは?|わかりやすく宅建解説

権利関係 まとめ

抵当権は、民法の中の物権にあたります。過去問では頻出論点ですが、権利関係は範囲が膨大です。出題される可能性が高いところだけ勉強したい方は、以下を参考にしてください。

得点しやすい項目

下記の項目は毎年のように出題され、かつ、勉強していれば得点しやすいところです。

  • 意思表示
  • 代理
  • 保証
  • 売主の担保責任
  • 相続
  • 共有
  • 建物区分所有法
  • 借地借家法
  • 委任
  • 請負
  • 不法行為

得点しにくい項目

下記3点の項目は、毎年出題されるにも関わらず、問題が難しく、勉強してもなかなか得点できないところです。捨て問としている場合も多くありますので、効率の良い勉強を心がけましょう。

  • 抵当権
  • 不動産登記法
  • 解除
  • 不法行為

抵当権に関するよくある質問

「抵当権者は土地と建物を一括で競売する事ができるが、抵当権の効力は建物の上には及ばない。」という問題文の間違っている箇所は、「抵当権の効力はこの建物の上に及び」と言う部分ですか?

仰るとおり「抵当権の効力はこの建物の上に及び」の部分が誤りになります。土地と建物は一括して競売できますが、その代金から返済を受けることができるのはあくまでも土地の代金からとなります。

根抵当権について通常の抵当権との違いを教えていただきたいです。

抵当権とは、お金を借りて、お金が返せなくなったときは家や土地を競売にかけて、お金に変えて返済するというものです。これにより抵当権は消滅します。

一方、根抵当権とは、お金を何度借りても返しても、上限金額の範囲内ならいちいち抵当権を設定したり抹消したりせずに、そのままにしている抵当権のことをいいます。

債務者および抵当権設定者以外の者が、抵当不動産を時効取得すれば抵当権は消滅するとありますが、どういう仕組みなのでしょうか?

第三者が、土地を時効取得した場合、その取得は「原始取得」と考えられています。原始取得とは、何も負担がない状態での取得になりますので、抵当権が設定されていても、その抵当権は消滅致します。結果として抵当権者の持つ債権は、担保のない債権となります。