表題部所有者とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説
更新日:2019年4月17日
表題部所有者とは
表題部所有者を理解するためには、まず不動産登記法について学ぶ必要があります。
不動産登記法とは、家や土地を買った後、その買った家や土地を自分の物だと証明するために定められた法律です。
したがって、不動産を購入した際は、不動産登記法に従って、登記を取得する必要があります。
不動産登記法に従って行う実際の記録を、不動産登記記録と言います。この不動産登記記録には以下の種類があります。
不動産登記記録の様式
名称 | 記載事項 | |
---|---|---|
表題部 | 土地または建物の表示に関する事項 | |
権利部 | 甲 区 | 所有権に関する事項→順位番号・事項欄から成る |
乙 区 | 所有権以外の権利に関する事項 |
表題部所有者とは、表題部に記載された所有者のことを指します。
登記の種類~保存登記、移転登記、抹消登記、更生登記、変更登記等~
変更登記、更生登記、抹消登記の意味
変更登記
後から変更があった場合に、以前の内容を訂正するためになされる登記を言います。
更生登記
当初の登記手続きにおいて、勘違いや書き漏れがあったため、これを訂正するためになされる登記です。
抹消登記
すでに登録されている登記が、現状と合っていないため消滅させる目的でなされる登記です。
表題部所有者が死亡した場合
表示の登記は、事実関係を把握するためのものですので、法的な効力はありません。
もし、表題部所有者が所有権の保存登記をしないまま死亡した場合、相続人や一般承継人は、所有権の保存登記をすることができます。
表題部所有者から所有権を取得した者
表題部所有者から所有権を取得した場合であっても、いきなり所有権の保存登記をすることはできません。まずは、表題部所有者が保存登記を行ってから、取得した者が保存登記をする必要があります。これはなぜかというと、不動産登記においては、事実関係が大変重要となります。
例えば、名倉さんが家を建てたとします。その後、名倉さんは家を不動産会社で売却しました。この場合、所有者は、名倉さん→不動産会社と移動していますので、登記もこれに沿って行う必要があるのです。したがって、名倉さんが保存の登記を行っていないにも関わらず、いきなり不動産会社が登記を行うことはできないのです。
表題部所有者に関するよくある質問
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表題部所有者は所有権を持っている人とどう違うのでしょうか?
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表題部所有者は建物をはじめに建てた人のみが記載されます。その他、建物に関する面積等も記載されます。ただし、表題部のみでは、第三者に対抗ができません。甲区に関しましては、所有権が記載されます。
こちらは、はじめの所有者、次の所有者、その次の所有者…と記載されていくので、現在の所有者が記載されている可能性が高いです。甲区に所有権の登記を行うと、第三者に対抗が可能です。
窪田義幸(くぼた よしゆき)
″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
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