質権とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

質権とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

質権とは
目次

質権とは

債権者がその債権の担保として債務者または第三者から受け取った物を債務の弁済があるまで留めておいて、その弁済を間接的に強制するとともに、弁済のない場合には、その物から優先的に弁済を受けることを内容とする担保物権です。

質権は、「法定担保物権」の1つです

法定担保物権には他に先取特権があります。

「法定担保物権」と「約定担保物権」を合わせて「物的担保」と言います。

「約定担保物権」には抵当権や譲渡担保、留置権、仮登記担保があります。また、「物的担保」「人的担保」などを総称して「担保」と呼びます。

ただし、今出てきた中で、試験によく出るのは、「抵当権」ですので、抵当権に学習の的をしぼるのも1つの手です。

質権の性質~物上代位性等~

質権には、付従性、随伴性、不可分性、物上代位性があります。この中の物上代位性について説明します。

物上代位性とは、目的物が売られたり、貸されたり、滅失したりして目的が果たせない場合に、代わりの価値のあるものが目的物となることを言います。

「物上代位」についてはこちら

また、質権は、担保としたものが実質的に質権者が専有できるので、留置的効力も持ち合わせています。

質権は、「法定担保物権」の1つです。

権利質とは

権利質とは、質権の一種です。

その名称通り、権利などの財産を対象とした質権をいいます。元来質権は、家などの不動産や、時計など高価な動産を目的として設定されていました。

しかし、債権や株式なども質権の対象となることが頻繁になったことから、債権や株式、知的財産権、特許権などの財産権を目的として質権が設定される場合を権利質と呼びます。

ただし、所有権は除かれます。

権利質の対抗要件

不動産質権の登記などのように明確には定められておりません。これは、財産権の内容や性質が様々なので、一概には決められないという理由によるものです。

権利質の対抗要件はケースバイケースで考えることが必要となります。

不動産権利質権とは

上記の例のように、土地や建物などの不動産を質権の目的とする場合を言います。その場合、不動産の用法に従い、使用及び収益をすることができます。

しかし、債権たる不動産の利息まで請求することはできません。

不動産権利質権とは

質権と抵当権の違い

抵当権とは

抵当権とは、借金をした場合、何か高価なものを担保にして、借金を返せなかった場合に備えます。

高価なもの(土地や建物など)が競売にかけられた場合、競落代金から債権者が優先的に借金を返してもらえる権利をいいます。

「抵当権」についてはこちら

質権は、上記例で土地や建物を担保にした場合、その建物に住んでいた人はそのまま住み続けることはできません。

一方で、抵当権は担保を設定したまま、使用を続けることができます。この点が2つの大きな違いです。

抵当権とは

質権に関するよくある質問

質権者と抵当権者の違いがわかりません。説明してください。

質権者とは、借金を貸して、目的物の引渡を受け、借金の返済があるまでそれを担保として保有する者をいいます。これに対して、抵当権者は、借金を貸しても、目的物の引渡は受けません。これが質権者との違いです。

先取特権と質権の違いを教えてください。

先取特権は法律の規定により当然に成立する担保物権(法定担保物権)であり、債権者と債務者との間の契約によっては成立するものではありません。

つまり、契約をしなくても、民法で当然に成立するものとして規定されている権利。たとえば、Aさんは甲社の社員で、Aさんに対して未払いの給料があるのに甲社が倒産してしまった場合、他の債権者に優先して、まずはAさんに弁済(未払い給与の支払い)しなければならないというものになります。

一方、質権は当事者間の契約によって成立する約定担保物権です。言い換えると、当事者の間で契約があってはじめて成立する権利。

質権について教えてください。

質屋さんをイメージしてください。被担保債権を保証するために、債務者や物上保証人から「動産や不動産など」を受け取って占有し、弁済がない時は、それを売却するなどして、そこから優先的に弁済してもらう権利をいいます。