日影規制とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

更新日:2019年5月10日

建物の写真
目次

日影規制とは

建築物からできる影が、周辺の土地に一定時間かからないようにすることにより、日照環境を確保するための制限です。 これには建築物の高さ制限があります。

例えば、第一種低層住居専用地域では軒の高さが、7mを超える場合、または、地階を除く階数が3以上の場合が規制の対象となります。

第一種低層住居専用地域

日影規制の対象

日影規制が適用される区域・建物は以下の通りです。

対象建築物
第一種低層住居専用地域 軒の高さが7mを超える建築物または地階を除く階数が3以上の建築物
第二種低層住居専用地域
田園住居地域
第一種中高層住居専用地域 高さが10mを超える建築物
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
商業地域 日影規制なし
準工業地域 高さが10mを超える建築物
工業地域 日影規制なし
工業専用地域 日影規制なし

日影規制 例外

日影規制の対象区域外にある建築物でも、高さが10mを超え、冬至日において、対象区域内に日影を生じさせるものには、日影規制が適用されます。

日影規制 緩和

上記で見てきた地域・建物においては原則日影規制が適用されますが、例外的に緩和される場合もあります。

  1. 許可による緩和
  2. 同じ敷地に建物が2以上ある場合
  3. 道路・川に接する敷地の場合
  4. 隣地の敷地が1m以上高い場合

以上の場合に日影規制が緩和されます。

隣地斜線制限・北側斜線制限・道路斜線制限

建築基準法の中の集団規定には、他に絶対高さの制限や斜線制限があります。それぞれを簡単にみていきましょう。

絶対高さの制限

低層住居専用地域内の制限

この地域内では、建築物の高さは、10mまたは12mのうち、都市計画で定めた高さを超えてはいけません。

壁の後退距離の限度

都市計画において外壁の後退距離を定めるときは、その限度は1mまたは1.5mとしなければいけません。

隣地斜線制限

隣の敷地に建つ建物の通風・採光の環境を確保することを目的とした制限です。

隣地斜線制限隣地斜線制限

北側斜線制限

自分の家の北側の家の環境、特に日照権の確保を目的として、建物の高さ制限がなされるものです。 北側隣地から敷地を斜めの線で建築可能な範囲を制限するものです。

北側斜線制限北側斜線制限

道路斜線制限

道路の幅との兼ね合いで、建物の高さを規制するものです。 北側斜線制限と同様に、建物の日照・採光・通風に支障をきたさないようにすると共に道路の採光の確保も目的としています。

道路斜線制限道路斜線制限

日影規制に関するよくある質問

第一種および第二種中高層住居専用地域において、日影規制の区域内では北側斜線制限は適用されない理由がわかりません。

理由としては、日影規制の規制内容の方が厳しいため、日影規制が適用されるのであれば、その規制を優先して、北側斜線制限は適用されないものとなります。

地方公共団体が条例で定められるのは、何がありますか?

たとえば、接道義務の付加や、日影規制の対象地域については、条例で指定されます。

この記事の監修者は
窪田義幸(くぼた よしゆき)

″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
フォーサイト公式Youtubeチャンネル「くぼたっけん」
フォーサイト講師ブログ

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