追認とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

追認とは?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

目次

追認とは

民法上の用語としては、取り消すことができる行為をもう取り消さないものとして、契約を確定的に有効なものとすることを言います。

宅建では、「制限行為能力」「無効と取消」「代理」でよく見かけるワードです。

追認できる時とは

それでは早速、追認できる時についてみていきましょう。

制限行為能力制度で追認できる時

制限行為能力者は、保護の必要性別に4つの種類があります。

民法上の呼び方としては次のとおりです。

  • 未成年者
  • 成年被後見人
  • 被保佐人
  • 被補助人

それぞれの制限行為能力者には、法定代理人と呼ばれる保護者がついていて、通常追認を行うのは、この保護者になります。

上記4種類の制限行為能力者の保護者には、追認権が与えられています。

制限行為能力者制度とは?

では、どのようなときに追認が可能になるのでしょうか。下記例でみていきましょう。

例)村瀬さんには高校生の不良息子Tがいます。Tは親である村瀬さんに内緒でバイク屋さんからバイクを15万円で買う約束をしました。村瀬さんやバイク屋さんはどうしたら良いのでしょうか。

契約自由の原則からすると、Tがした約束は、T自身が守らなければいけないのが原則です。

しかし、この原則を未成年者にも貫くと、未成年者は社会経験が乏しく未熟なため、大変な結果が起こりかねません。

そこで、法は、親に黙ってした契約は取り消すことができるもの、=なかったものにできるものとしました。

結論

村瀬さんは、Tの行為を取り消せば15万円を支払う必要はなくなります。バイク屋さんとしては、この契約が取り消されるのか否かがずっとわからないと、不都合が生じます。そこで、バイク屋さんから村瀬さんに対して、「取り消すのか否かはっきりしてください」と尋ねることが認められることが妥当です。それゆえ、法はバイク屋さんに催告権を認めて、相手方を保護する制度を設けました。

このとき、村瀬さんが「まぁ、ちょうどバイクが欲しいところだったから、このまま買おう」とバイク屋さんに言ったような場合、もう取り消しはできません。これを追認といいます。


以上をまとめると以下のようになります。

誰が追認できるか?
  1. 保護者が追認することができる
  2. 未成年者(制限行為能力者)が保護者の同意を得て追認することができる
  3. 制限行為能力者が能力者となった後、本人が追認することができる
効果は? 確定的に有効になります。→もう取り消すことはできません。

取消ができる期間

取消とは?
  • なかったことにすること
  • 取消によって初めて最初にさかのぼって効力を失う
  • 取り消しを主張しなければ有効なまま
具体例
  • 制限行為能力者の行為
  • 詐欺、脅迫などによる意思表示など
主張権者
  1. 未成年者、成年被後見人などの制限行為能力者
  2. 詐欺、脅迫を受けて瑕疵ある意思表示をした人
  3. 以上1.2の代理人あるいは承継人
消滅
  • 追認ができる時から5年で消滅
  • 行為の時より20年で消滅
追認
  • 追認すると取り消すことができなくなり、有効なものとして確定する

代理で追認ができる場合

代理の場合、「無権代理」で追認の話が出てきます。

代理権が以前はあったけど、今はないような人や、もともと代理権などない人が、勝手に代理人として不動産の売買など、頼みもしないことを行った場合は無権代理です。

その効果は、原則本人に生じません。

本人には、「追認拒絶権」がありますので、不利益を被るような場合には、相手方に「追認はしません、無効にします」と主張することができます。

しかし、例外として、本人が代人もしくは相手方に追認すれば、契約のときから有効な代理行為があったこととなります。

この場合、代理人もしくは相手方の同意は不要です。

したがって、代理で追認ができる場合というのは、無権代理でなおかつ、本人が追認した場合に限ります。

追認に関するよくある質問

無権代理について、本人の追認権と相手方の取消権はどちらが優先されるのでしょうか。

無権代理について、本人の追認権と相手方の取消権は簡単に言えば、早い者勝ちです。ですので、「本人が追認したら相手方は契約を取り消すことはできない」「相手方が取り消したら、本人は追認できなくなる」となります。

売主Bが、買主CにAが代理人と表示にしてるのに、Cが知らなかったと言ってる場合は契約が無効になるということですが、この場合に契約が有効になる場合はどういう場合ですか?

代理人であるとの表示があっても、その表示が誤ってなされたことによって、その代理権に実体がない場合があります。
代理人である旨の表示を信用した相手方を保護する必要はあります(善意無過失なら契約は有効)が、一方で、その表示が本当ではないことを知っていたり、単に過失で知らなかったような場合まで 保護する必要はありません。
そのため民法では、無権代理について悪意であったり、過失で知らなかった者については保護しないと規定しています。つまり、契約は無効としています。
なお、無権代理行為も本人が追認すれば有効となります。

取消で「消滅」は「追認をなしうる時より5年で消滅」「行為の時より20年で消滅」とありますが、何で「5年と20年」の2種類があるのでしょうか。

「追認をなしうる時より5年」という規定だけですと、追認がなしえない状態がずっと続くと、永遠に取消ができるということになってしまいます。これだと法的安定性が損なわれますので、「行為の時より20年で消滅」という制度も併設したのです。